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視界がぼやけていくのにつれて、ある考えが脳裏を過ぎる
人との繋がりを持たないこの私が世界から何を求めているというのだ。こんな存在している事すら否定されてきたというのに……、いったい私は自分に、世界に何を求めているというのだ
生まれてきた時から、そうだった
次第に私が進む道も帰る道も何もかも失われ、得体の知れない空間に閉じ込められた。これから何も無い真っ白なこの空間で過ごせとでも言うのか…
そうだ、もう、何も無い。何かを失った所で、私には何も…、何も……。
頭ではこの世界は終わりを迎えた事を理解している筈なのに、心の奥では消えたくないと必死に叫んでいる。どうしてこんなにも心が熱のか、どうして涙が溢れるのか、これだけはどうしても判らない。思考も虚無へ向かっているようだ
それでもこれだけは思い出せた。血は繋がっていなくとも、私に笑顔を向けてくれた大切な“家族”がいる。かわいい妹と弟達
あの子達だけでも助けたい。重い体に鞭打って立ち上がった直後、夢で見たような不気味な黒い書物が私の目の先に現れる。…いや、それそのものか…？
水に浮くようにフワリと浮く分厚い書物。それだけかと思えば深みのある渋い声で私に語りかけてきた
「我は黒の書。貴様を出迎えに来た」
「…迎え？それは……、どういう意味？」
「貴様が存在した世界は消滅し、無と帰した。されど◼◼◼◼の◼◼を持つ貴様は特別と見なされ、我が次なる世界へと送る使者としてここへ赴いたのだ」
「…ちょっと待って、さっきから何を言ってるの！世界が消滅した…？ふざけた事を言わないで！！そんな変な嘘、誰が信じるっていうの！」
「現に貴様の残ったその肉体もまた消滅を始めている」
『黒の書』と名乗る書物の言葉の通り自身の身体、手を見てみると見たこともない、文字のような黒い痣が浮かび上がり始めていた
激しい痛み、黒く染まる体に目も当てていられず、震える手を両手で握りしめる
「さあ、共に行こう」
「いやだ！消えたくない、どこにも行きたくない！家に帰して！！妹と弟たちに…、会わせて……」
この願いはもう意味を持たないのかもしれない。それでも私は叫んだ
歪む視界。暫くたたぬの内に、私の肉体、存在はもうこの世から消えて無くなっていた──
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えると凄く嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (
レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます！ (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです！ 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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