#025 ページ30
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「でも怪我したら……」
「怪我しているのはニーア君の方でしょ？」
「…！！」
先程のマモノの件で負傷した箇所を自身の手で掴んで隠した
それに気づいたポポルは、これ以上彼に無理をさせないようにと「ライラちゃん、着いて行ってあげて」といつ怪我をしても応急処置ができるよう、余分にとっておいた薬草を、ポーチごと受け取ると、急いで妹のヨナの元へ走った
「……気をつけて」走って行く二人の細くて小さな背中を見つめ、一人残った彼女は呟いた
＿＿＿＿＿
他二つの門より、遥かに人気が少ない東門を潜り抜けると、崖沿いの道が二手に分かれて私達の前に立ちだかる
慣れているニーアは、何も迷うことなく左を選択し、突風の吹く崖沿いを歩いていく
だが途中で瓦礫に塞がれ、進める筈であった道が進めなくなり、瓦礫と瓦礫の間には小さな子供一人分の穴が空いていた
「まさか、ヨナはこの隙間をくぐったのかな……」
「そうかもしれないね。けど私達じゃ通れなさそう…。他を探そう」
「…うん」
＿＿＿＿＿
瓦礫の左手には梯子があった。傷を庇いながら彼は登り上がると私もそれに続く
崖に挟まれた一本道を辿るように先へ進むと、深い谷に囲まれた巨大な建造物が見えてくる
これをニーアやポポル達は『石の神殿』と呼ぶらしい
しかし入り口へ行くにはたった一つの吊り橋を渡って行かなければならない
崖下に湖がある。だが、落ちてしまえば肉眼で確かめる事が困難であるほどの高さであり、この下に落ちていないであろうかと、ここにはいないヨナが心配になるにつれ、行く直前よりも彼は更に焦りの色が濃くなっていた
「こんな危ない所にヨナが…」
「行ってみないとわからないよ。さあ、行こう」
背中から押すように彼の名を呼ぶと少し驚いたような表情を見せるが、わかった。微笑んで見せた
「けど少しだけちょっと待って」
「？」
呼び止めた私に首を傾げたニーア。私はポーチからさっき買った薬と包帯を持って傷口に改めて擦り込むように塗る
傷が深かったのか、苦虫を噛むような表情を浮かべる。菌が入らないように、直ぐに包帯を少しキツめに巻く。痛みを緩和させる為だ。血を圧迫させる程ではない
「これを見て、絶対に無理をしないって約束して欲しいの。ヨナちゃんに辛い顔見せたくないんでしょう？」
「ライラ……」
ごめん、行こう！私は声をかけ、一緒に長く不安定な橋に足を踏み込んだ
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えると凄く嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (
レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます！ (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです！ 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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