#024 ページ29
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「ニーア君、本当にヨナちゃんが大好きなんですね」
「…あの兄妹にとっては、お互いに残された唯一の大切な家族だから……」
「…え？」
彼女の言葉に私は自分の耳を疑った
今思い返せば、兄、妹揃って両親の話は一言も話さなかったし、家にも帰って来た記憶はない
兄妹が二人、ずっと共に不幸とは感じさせない、笑顔でいるから両親がいないという違和感に気づけなかったのだ
「……両親、いないんですか？」これを本人に聞けばいいものを、少し詰まらせながら聞いてしまうと、ポポルは静かに頷いた
「…お父さんは、ヨナちゃんが生まれた後にどこかへ行ってしまって、お母さんは、…ヨナちゃんを産んでから数年経った頃に亡くなったわ」
それ以来、二人は互いに身を寄せ合いながら、両親が汗水流して働いて残した財産と、あの家に住んでいるらしい
……同じ、だったんだ。あの子達も両親がいない…
悲しくも共感と同情の念が押し寄せる
ポポルからこの話を聞けたことに礼を言うと、慌てた様子でニーアが戻って来た
危なかった。この話を聞かれてしまっては思い出して辛い思い出を掘り返してしまった事だろう
…眉を八の字に曲げている彼を見るに、何かあったようだ
「ここにヨナが来ていませんか？」唐突な質問にポポルは聞き返したが、同じ言葉を繰り返してもらう必要がないよう、すぐに「知らない」と答える
「何かあったの？」
「ヨナが家にいないんだ。入れ違いになったのかなって…」
「…あれからすぐに出て行って、ここへは一度も戻ってきていないわ」
「その時に何か言っていなかったか」三人で記憶を絞り出し、出た結論が『月の涙』
ポポルは聞かれた際に咲いている場所も問われ、『石の神殿』という所についても答えていたらしい
この話を聞いた私と彼の脳裏に嫌な予感がよぎる
昨夜に『伝説』について話した事をポポルに伝えると、思い出したせいかニーアの顔にさらに焦りの色が見えてくる
「まさか…、自分の薬を買うために……。探しに行かなきゃ！石の神殿は…」
「東門から行くしかないわ」
一言感謝を述べると、ニーアは慌てて飛び出そうとした
これはニーアとヨナ、兄妹の問題だ。本当は一人で行かせてあげたい
けれど私だって彼女が心配だ。共に行こうと私は呼び止めた
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えると凄く嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (
レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます！ (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです！ 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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