#011 ページ16
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ポポルの綺麗な字で書かれた便箋と本を見比べる事なく楽々と読めるようになった頃
しばらくは体調の様子、この世界についてを知るために、自室を綺麗にしながらデボルが用意してくれた椅子に座って読書をしていたのだが……
自室で偶然読んでいた『ウェポンストーリー』のある1ページ、少し古びた武器の絵に、思わず目が奪われる
──円月輪
見た目はただの輪そのもので、こちらで言う手裏剣のようなものなのだが、持ち手は一箇所のみで、後の箇所は鋭い刃物になっているという、少々危ない代物らしい
だがこの世界の知識を脳に叩き込んでいるあたり、私の世界とは違ってマモノが出現するため武器はどうしても必要となる
それで今はポポルに武器の注文を頼んでみているのだが……
「それはダメ」
「…ですよね」
予想通りの即答に肩を落としていると姉のデボルがここへやって来る
落ち込んでいる私を見たデボルは事情をポポルから聞くと先程の話に賛成の意をあげる
危ないからダメだと言うポポルに、自分の身を守る事に良いも悪いも無いというデボル
──まるでデジャヴだ。この光景、見覚えがある
「武器を買うのも、教えるのもあたしがやる。それなら文句ないだろ?」
「……危険な目に合わせないであげてね」
心配する言葉にデボルはわかっていると頷く
買ってもらうだけでなく、その上教えてくれるなんて…、デボルに感謝するとポポルに言った事と同じ事を言う
数日経った頃、武器屋に新しい武器がいくつか入荷したらしく、腰の丈ほどくらいの大きさの円月輪購入してもらい、この世界の大地に踏み入れるのも武器を扱うのも初めてという事もあり、デボルさんの監督付きで早速練習に取り掛かる事になった
最初は10kg以上あるであろう重さの円月輪をとりあえず適当に振り回してみるが、わかってはいたが私の腕力と体力の無さが改めて思い知らされる
これにデボルはこれからだと励ましてくれるが、この重さは戦っている時にどこかに吹っ飛ばしたりしないか少々……、いや、かなり心配である
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えると凄く嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます! (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです! 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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