【短編】何時かの物語 -ep02- -BHFFXV- (ページ9)

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#14 ボーイズトークその1 ページ9

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梅雨に入る手前から、最近よく仲の良い者から聞かれる一言がある

『ウェルをどう思うのか』

残念ながらノクトは異性を恋愛対象として見た事がない。中学時代にも勇気を振り絞って告白をしてくれた女子もいるのだが、ちゃんと相手に好きになれる自信がなくて、全て断ってきた

しかし高校にも入り、「ウェル」という異性と友人として付き合うようになってから、特に昔馴染みのイグニスとグラディオからは聞かれる

そして目の前にいる親友からにも、彼女がいない隙を狙って同じ事を聞かれるのであった

「どうって…。別に、友達だとは思ってるけど…」
「ええー、絶対気があると思ったんだけどなあ」よっぽど自信があったのか、曖昧なＮＯを答えるとふてくされる

「でもさ、でもさ、もしキスするってなったら出来る？」
「…えっ、いや、それは……」

「わかんねえ」再びノクトは曖昧に答える

しかし恋愛事や性的な事になるとすぐ顔を赤くする程のシャイな男だと知っているプロンプトはとことん彼をイジる

「ノクトってさ、自分に自信ない感じだよねえ。まあ、普段強がってるからわかりにくいけど」
「う、うっせえな」
「そんなに自信がないなら、俺が貰っちゃおうかなあー」

「なんてね、冗談」と終わるつもりが、意外と心に刺さったようで、悲しそうな、悔しそうな…、というか今にも怒りそうな顔をプロンプトに見せた

それにプロンプトは勿論そこまで言うつもりは無かったためアタフタと慌て始める

「じ、ジョークだよ！？俺があんな高嶺の花に告れるわけないじゃん！」
「な、なんだよ、マジでやると思った」プロンプトと大差変わりない慌てように彼はホッとする

「ん？そういや、高嶺の花って、あいつ裏でそんな事言われてんの？」
「テネブラエから来た美人さんだもん、結構学校では話題だよ？」

「俺、明日とかあいつに会っていいのか…？」「うん、ノクトもノクトでウェルと変わりないから大丈夫」