【短編】何時かの物語 -ep02- -BHFFXV- (ページ11)

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時は過ぎ、あっという間に花火大会当日

ノクトのお隣さんであるウェルを呼びに行ったのだが、「まだダメ」とインターホン越しに断られ、「学校前で待ってる」それだけ伝え、彼女を置いてプロンプトと先に待ち合わせた

合流した時、プロンプトから彼女の事を聞かれ、そのまま伝えると「女の子は大変だねー」と関心するように言った

花火が始まる一時間前、ようやく彼女がやって来た

いつもと違う雰囲気、というか別人かというくらいの変わりようにさすがのノクトも思わず大きく驚く

「ごめん、待たせて…！」
「別に…」
「えっ！？ホントにウェル！？」単刀直入に聞かれた彼女は残念ながら悪い意味で受け取ってしまう

「似合ってない？」
「ううん！そんなことない！！」

「ね！ノクト！」困った様子で話題をふるプロンプトに言われた本人は恨む。何故口下手な自分にふるのかと

着ている浴衣は白地に淡く大きめの花柄が使われている浴衣で、背が高く、肌が白い彼女には確かに似合うが、言葉に迷う

可愛い…、というより綺麗に近いのだ

それを言えばいいものの、…照れくさい

黙ってこちらを覗き見るウェルについドキッとしてしまう

しかしいつまでも黙っているノクトに彼女も「何？似合わなさ過ぎて言葉も出ない？」

……やっぱり目の前の彼女は間違いなく残念美女だ

黙っていれば可愛いのに…。と、ノクトは思う

ていうか、今日はなんだかいつも以上にネガティブだ

「そんな事ないよ！可愛い！」
「そこまで言われると、照れる」
「えへへ、もっと言ってあげようか？」
「いいよ、別に」

何かが気に食わない。たったこれだけの理由でノクトは何も返さず先々を歩く

様子のおかしい彼に残された二人は顔を見合わせるが、今日は人が多い。このままだと見失ってしまうため慌てて二人は王子を追う

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