夢からの脱出(2月26日脱出の日) ページ3
｢う゛…｣
痛みを感じ、目を開けると両腕を鎖で繋がれている状態だった
ろくに掃除もしていないジメジメとした薄暗い場所
ここを知っている
今さらこんな夢を見るなんて思わなかった
｢おー真島ぁ。まだ生きとるかぁ｣
｢親父…｣
自分の意思とは関係なく動く口に視覚と痛覚だけの夢なんだと真島は自然に受け入れた
｢もう1年経つらしいな。穴倉入って何も言わんと生きとるとは…｣
そんな時期かと客観的に見ながら真島は親父である嶋野が手に持っている鎖を見た
｢なんや、これが気になるかぁ。親父の話もろくに聞かんとはなぁ｣
｢ぐぁ…ｯ!!｣
待機していた組員から受け取った細いナイフを腹に刺し抉るように動かす嶋野はニヤリと笑ってナイフを引き抜いた
｢安心せぇ、内臓には刺しとらんわ。｣
｢…｣
｢まぁええ。お前が気になってたコレ、見せたろか｣
嶋野が鎖を引っ張ると、首輪をはめた少女が部屋に入って来る
｢はよ歩かんかい｣
｢…ｯ!はい｣
思いっきり鎖を引っ張られ地面に倒れ込んだ少女、Aは表情を一つ変えずに嶋野の顔を見上げた
これがAとの初対面だったかと真島は考えていると嶋野が口を開いた
｢真島も最初から従順な犬やったらこないな所におらんで済んだんかもしれんな。お前らあとは任せたで｣
｢…親父ｨ｣
｢…さん…まじ…ん!…真島さん!｣
脳内に響くAの声に真島の意識は夢から現実に引き戻された
もう体は痛くない
｢真島さん。悪い夢でも見ましたか?｣
｢いや、大した事ないわ｣
｢それならいいんですけど…｣
まだ心配そうに見るAを安心させる為に頭を撫でた時、真島はふとAの首を見た
いつも付けている少し太めのチョーカー
頭に伸ばしていた手を下に下げてチョーカーに触るとAは一瞬固まる
そんなAのお構い無しにチョーカーを取ると、チョーカーより一回り細い線が残っている
夢で見た、初めて出会った時に付けていた首輪の跡だ
嶋野が飼い慣らしていた理由は分からないが、Aにとって嫌な思い出である事は間違いなくその跡が一生残ると思うと真島は胸が痛んだ
ｼｭﾙﾙ
いつの間にか眼帯を取られた真島は驚いていると優しく目に触れられた
｢夢にも、過去にも囚われないで…｣
まるで夢の内容を知っていたかのような言い方に再び驚きながらもAの手を取って優しく握った
｢俺らはもう自由や｣
前世(2月27日新撰組の日)→←親父(2月25日親に感謝の気持ちを伝える日)
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レイナ(プロフ) - 雲雀さん» ありがとうございます!不定期ですがよろしくお願いしますｯ (2021年2月25日 23時) (
レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - 短編連載おめでとうございます！これからの展開が楽しみです！！ (2021年2月25日 16時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★レイナ☆ | 作成日時：2021年2月23日 15時
