漆拾漆 ページ34
貴方side
西田は事務所に戻るという事で病院を出て直ぐに別れた
さて、府刑に行くか
手ぶらで行くのはアレだしコンビニ寄っていこう
昨日から結構金使ったから降ろさないと
今は口座が使えるからいいけど、そのうち極道もんてバレたら即解約だから何か考えないとと思いつつも動かずにいるまま
自分用の金庫でも買うか?
10万下ろしたうちの3万を封筒に入れて残りは自分の財布に入れてコンビニを出ると丁度タクシーが停まっていたのでそのまま刑務所に向かう
現地から1時間弱掛かるし子供達のサンタへの手紙を読んでおこう
小さい子供だと字が反転してたりして解読が大変だが、欲しいものだけはしっかり書いているみたいでホッとする
"ゲーム機が欲しい"とか"動物と暮らすゲームが欲しい"などゲーム関連のものから、
"シリーズ小説の最新作が欲しい"、"スケッチブックと色鉛筆が欲しい"といった女の子らしいものまである
ゲーム関連はクリスマスプレゼントで売り切れも有り得るし、今のうちに手配してもいいな
そうと決まれば電話だ
本家へ電話を掛けると直ぐに出た
貴方「月城だが」
『親父!?お、疲れ様です。珍しいですね、浅田の叔父貴に変わりましょうか?』
わざと浅田に掛けなかったのに余計なことは考えるなよ…
絶対怒ってるからね
貴方「い、いや手配して欲しい物があるんだ。期限は25日まで。今書くものあるか?」
『はい、大丈夫です』
貴方「____の物を用意してくれ。ラッピングもしっかりな」
『分かりやした。それでこれは何の為なんすかい?』
貴方「新入りは知らねぇのか。周りに聞きな、では頼んだ」
"ピッ"
これで良しと
運転手にラジオを付けてもらい聞いていると目的地に到着した
まずは売店へ向かい、タオルや下着類を買う
差し入れはここで買わないと跳ね返されるから困ったものだ
直ぐに買い物を済ませて受付で面会の手続きや差し入れの確認をした後に面会所へ案内してもらう
パイプ椅子に座りアクリル板を隔てて向こう側に人が来るのを待っていると5分くらいで目当ての人物が現れる
監視「面会は30分だ」
貴方「分かってるって。なぁ大吾」
大吾「ああ」
貴方「久しぶりだねぇ」
(余談)
実際の刑務所は基本的に肉親しか面会が許されていないのですがフィクションなので…そこはご理解お願いします。
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作者名:ぷりん | 作成日時:2021年1月3日 15時