死蝶は舞う2〔龍が如く〕 (ページ39)

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捌拾弐ページ39

貴方side

今日も病院へ行きまじにぃの様子を見に来たけど、どうだろうか

"ｶﾞﾗｶﾞﾗ"

貴方｢!?｣

ノックした後扉を開けたら組員もまじにぃも居ない

え?拉致?!それとも起きただけ??

いや、でも起きたら西田が連絡してくれるはず

頭の中がパニックになっていると後ろから肩を叩かれて耳元で"月城チャン"と囁かれる

｢なんや、驚かそ思てんけど固まってしもうた｣

チャン付けにこの関西弁

じわりと涙が溢れ出す

貴方｢まじにぃ…!｣

思わず正面を向いて抱き締めると"俺がこんなんで殺られるか"と戸惑いながらも抱き締め返してくれた

涙は当然まじにぃが着ている病衣に染み込み、ごめんと謝ると顔を上げさせられる

真島｢おー泣くな泣くな。そない心配してくれとったんかいな｣

貴方｢あ、当たり前だｯ!｣

少し冷静になってきてさっき抱き締めてしまった恥ずかしさから思わず少しキツめに言うと頭を撫でられた

真島｢心配してくれてありがとうな｣

貴方｢ｯ…!///これ!血で汚れてたからクリーニングに出しとたから!｣

今朝クリーニング屋から引き取ったジャケットが入った紙袋を渡す

貴方｢あと、まじにぃが起きたら返そうと思ってたんだ｣

自分の首にかかっているネックレスを取り外してまじにぃの首に付ける

その時に少ししゃがんでくれたのが妙に腹が立つ

真島｢寂しかったんか?｣

貴方｢べ、別にそんなんじゃねぇし…。でもまじにぃが元気になって良かった。でもまだベットで寝てろよ?｣

真島｢そんなつまらん事((｢は?何がつまらないだって?｣…はい｣

しゅんとしながらベッドに寝転ぶまじにぃはまるで大型犬みたいで垂れた耳が想像できる

布団を掛けると"ﾊﾞﾝｯ"と大きい音と共に西田とその他組員が入って来た

西田｢親父ぃ起きたんすね!!｣

真島｢喧しいわ｣

組員｢心配したんすよ!｣

今は組員との時間を邪魔しないでおこう

そっと病室からでた

でも直ぐに目が覚めてホントに良かった…

今はしっかり休んで早く万全の状態になって欲しいな

まだ日も高いし新大三江にでも行くか

やっぱり報告書を見るより実際に見た方がいいもんね

新大三江は櫻木会のシマで今度まじにぃと荒らしを締めに行く場所でもある

みかじめ料を貰ってる限りはそれなりの仕事をしなければ不必要と判断されてよそ者がくる可能性が出てくるし

電話で組員達を呼び出して新大三江に向かった