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夜明けの表情 ページ10

そんな、ある日の昼休み
私は優と一緒に
お弁当を食べていた。


「咲ちゃん!おーい!咲ちゃーん!
もしもーし!」


優に呼ばれてハッとする。
またボーッとしていたようだ。


「最近、咲ちゃん上の空だよねー。
もしかして、何か、悩み事?
私で良かったら聞くよーっ?」


そう言われると
甘えたくなる性分だった。
私は少し考えた後ポツリと言った。


「人を好きになるって、
恋をするってどんなだと思う?」


「んぐっ!?…んっケホっ。
突然何を言い出すと思ったら…
咲ちゃん、恋してるの?」


「ちっ、違う違う!
なんとな〜く気になっただけ!
私そういう経験したこと無いからさ
そこで、経験者さんにお話を
頂きたいなぁ…と…みたいな?」


焦ってまくし立てると、
優は飲み物を飲みながら
「ふ〜ん」っとニヤニヤする。


「恋がどんなって言われたら
言葉にしにくいけど、恋してるか
どうかを知るのは、
やっぱ胸の痛みじゃないかなぁ?」


その言葉に少しドキッとした。


「…胸の痛み?」


「うん!その人と一緒にいると、
胸が痛くなるの、でもその痛みは
嫌じゃなくて心地いいんだぁ」


身に覚えがあるその言葉を
聞いていると頭の中には
一人の青年が思い浮かぶ、
そしてどんどん胸が騒いでいった。


「でも、一番恋してるなって
分かる痛みがあるよ〜。」


「…それは?」


優はどこか遠くを見て、
少し寂しそうに呟いた。


その表情は少し悲しい
夜明けのようだった。


「その人が自分以外の異性と
話をしている時、凄く痛いんだ。
自分を見失ってしまうくらい
モヤモヤズキズキするんだ〜。」

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設定タグ:オリジナル , 青春 , 純愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:ゆうな | 作成日時:2016年2月7日 18時

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