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まだ恋を知らない夕暮れの中 ページ2
恋をするって一体
どういう気持ちなのだろう？
生まれて16年
高校1年の秋を迎えた
私、赤葉咲(あかば さき)は
まだ恋というものを知らなかった。
「雪！早く帰ろうぜ！
叔母さんの手料理冷めちまうよ！」
「もう！部活やった後なのに
なんでそんなに元気なのよ…
お母さんからメールきたと思ったら
いきなり、はしゃいじゃって…
冬樹！私の作るお菓子は
楽しみじゃないの！？」
「叔母さんの手料理超美味いし！
もちろん雪のお菓子も楽しみだよ？
毎日食べたいくらい大好きだもん」
「〜！！なんで変に素直なの！？
バカー！！」
そんな風に仲睦まじく小突き合う
2人組をぼんやり眺めながら、
恋をしているって
あんな感じなのかな
とか、考えてしまう。
笑い合う二人組は確かに
お似合いのカップルだった。
お互いがお互いを想い合って
いることが赤の他人の私にもわかる
誰かが恋をしていることは
見てわかるのに、自分では
その感情をまだ知らないことが
何故か悲しくて
淡い夕焼けの中、ため息をついた。
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作者名：ゆうな | 作成日時：2016年2月7日 18時
