わたしの左手 ars k.nino

ビールアタック ページ14

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程なくして

試合が始まった。







ルールは、ある程度

頭に入れてきた。

ホームのチームだから

いわゆる後攻で








３回までは

特に盛り上がりもなく

若干、飽き始めた・・・








そんな時に

タイムリーのホームランが出た。








すごく気持ちいい音と共に

ビューンと飛んで行くボールを

歓声と共に見送った。








思わず

「おお！！」

なんて声が出ちゃうぐらいだから

実は楽しめてるんだ。私。








なんてことを思ってたら

左肩に

通路側の左肩に

衝撃と冷たさを感じた。









「うぇ・・・？」

変な声が出ちゃいながら

ゆっくり上を見上げたら

上から

「ごめんなー？」

って両手を合わせて謝る

おじさんの姿が見えた。









通路の階段を

ビールが入ってたと思われるコップが

コロコロ転がって









「冷た・・・・」

肩に手をやるとビッショリ濡れてる。









驚き固まる私に

「ビールアタックですな。」

ククって隣のアイツが笑った。








「ビールアタック・・・・？はぁ？」

なんだそれ。

もう見ないようにしようと思ってた

アイツの方を見ると

「ビールアタック。まあ上からビールが降って来る感じ？」

そう言いながらタオルを出してくれた。

お互い様→←最悪

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