【ハイキュー!!】魔術専門学校『悠々学園』 Part.４

属性大会〜第四種目終了〜 ページ41

その後も場は硬直したまま終了。

それぞれの戦闘は決着がつかず、けれど全員終了の合図でしっかりと手を止めている。

まあ、納得は行かないだろうけれど。これも決着ということでしょう。

しみじみと待機場所のホログラムに頷いた。

さて、この後は閉会式になると思うのだけど。

後ろを見れば、変わらず倒れたままの黒尾さん。

仰向けなので顔が見えるが、とても青い。大丈夫だろうか。

「あー、茂庭さん、黒尾さん起きました？」

二口くんが歩み寄ると、茂庭さんが首を振った。

「ん、駄目みたい。縁下がドクターストップがてら止めててくれて良かったよ。

　……まあ、その関係でもう順位決まっちゃったけどさ」

などと言って苦笑い。その言葉で色々と理解した。

『あの、何か手伝いますか』

少し距離を置いて茂庭さんに問えば、やっぱり首を振られる。

「悪いけど、ちょっと閃穏嵜さんは近寄らないで欲しいかな。言い方悪いけど。

　やっぱりくろの体質だと、テレパシーはしんどいみたいだし」

黒尾さんの体質。

魔力を取り入れてしまう体質で、会話にテレパシーを使う私とはとことん相性が良くない。

『わかりました、下がっときます』

ついでに自分に、魔力遮断の防護壁でも張っておこう。

縁下くんの体質の模倣の魔術です。さっきの戦闘時には使ってません。

「……閃穏嵜さーん。

　さっきの試合でそれを使わなかったことは言及しないから、くろにそれ張って？？」

しまった一瞬でバレた。

『じゃあ範囲広めで張っときますね』

よいしょ、と畳の周辺に防護壁を張る。過剰な魔力の取入れは防げるはず。

すぐさま回復するわけではないけれど楽にはなるはずだ。

「うん、ありがとう」

ほ、と息を吐いた茂庭さん。

「それじゃ、そろそろ閉会式かな。

　待機場所の中を見て引き延ばしていたアナウンスも、もう終わるみたいだし」

茂庭さんが変わらず黒尾さんの様子を見ながら言った。

言われて気がついたけど、確かに雑談によってアナウンスは長々今の今まで続いていた。

「生徒会長だし、行かなきゃね。

　閃穏嵜さんが防護壁張ってくれたし、くろは多分大丈夫。

　んじゃ、戻りましょうか」

茂庭さんがそう言うと同時、アナウンスが閉会式を執り行うことを告げた。

本当に内部状況を見ていたんだなぁ。

多分、黒尾さんの体調を心配してのことだろう。

もし誰も対処のしようがなかったら、縁下くんが召喚されたのではなかろうか。

属性大会〜閉会式〜→←属性大会〜第四種目：バトルロイヤル〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す