妖怪と捕食〜暗い森〜 ページ12
左の手首を差し出せば、一切の躊躇も容赦もなく噛みつかれた。
自らが捕食される様を実況する趣味はないので目を伏せておく。
でも……あー……魔力と血が吸われてるー……。
どれくらい時間が経ったろう。
取り合えず貧血になる前には手首から口が離された。
うっげえ、しっかり歯形ついてるし。
「ん、ごっそーさん」
『ああ、もういい……のね』
「今日はな」
今後もあるんですね、わかりたくなかったです。
『妖怪と友達に、とか思ったけど餌扱いか……』
「いや、そういうわけじゃないんだけど」
『じゃあ何だこの扱い』
やっべ自分よりも強い相手に使っていい言い回しじゃないわこれ。
と、思ったけれど初回で鉞振りかざしていたので今更っちゃ今更。
「目の前に在るデザートを食べずに我慢できるか？」
『……デ、デザート扱い……』
余計に泣きたくなってくるわ。気が向いたときに抓まれそう……。
「まあよっぽど腹減ったときには頼むぜ。
それは置いといて。将来の精霊の主様なんだし、仲良くするべきだろ？」
『その人物デザート扱いしませんでした？』
「仕方ないだろ、旨そうな匂いしてんだから。
流石に精霊の主様は食えねぇしなぁ。
それに、ちゃんと了承とってからだっただろ？」
自分は間違っていないと主張されては、何も言えなくなる。
なにせ相手は妖怪だ。
人間や精霊の魔力を奪わないと生きていけない存在。
まともな理性があってよかったと思うべきか。
『はぁ……今日はもう終わりなんだよね？』
まともに歩けるほど回復していないため、テレポートでさっさと自室へ帰りたい。
そう思っていたのだけれどまだ終わっていないようで、木兎は首を振る。
「お前、なんで赤葦と仲悪いの？」
赤葦。嫌な名前を聞いて頬が引き攣った。
『あっちが嫌ってきてるんだけど？？』
「赤葦が？」
全く想定していないとでも言うように、目を真ん丸にしている。
『初っ端舌打ちしてきて、会うたびに喧嘩売ってきて！
仲良くできるとでも思ってんの！？』
「出来ねぇの？」
しまった、妖怪の友達は殺し合う仲だとさっき言っていた。価値観違ったわ。
『出来る、出来ないじゃなくて……したくない、かな』
可能なら関わりたくない。それが一番平和だから。
「ふぅん。
可笑しいな、ちゃんと赤葦には教えたんだけど」
何が。そう聞けば、妖怪は不思議そうに言う。
「お前の役目」
その言葉を聞いて、舌打ちした。
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甘味香涼(プロフ) - 愛衣さん» 幕間読、ご了承いただき有難うございます。励みになります。今後も更新頑張りますので、良ければ読んでいってください。愛衣さんもコロナに気を付けてくださいね！ コメントありがとう御座いました！ (2020年4月24日 17時) (
レス) id: 66ef20161f (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - part 4の〜幕間〜見させてもらいました。パスワードの件了解致しました。作者さんは作者さんのペースでコロナに気をつけて更新頑張ってください！！ (2020年4月24日 0時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - 零咲さん» コメントありがとうございます！ 一週目から読んでいただけてるのですか…！ とても嬉しいです。今後も更新していきますので、これからもよろしくお願いします。零咲さんも体調にお気を付けてくださいませ。 (2020年4月21日 21時) (レス) id: 66ef20161f (このIDを非表示/違反報告)
零咲(プロフ) - 修正前から読んでいて、久しぶりに開いたらリメイクされていて一気に読んでしまいました！！1週目とはちょっと違うストーリーも面白い…！！体調に気を付けて更新がんばってください！楽しみにしています。 (2020年4月1日 11時) (レス) id: e968e40239 (このIDを非表示/違反報告)
朔咲(プロフ) - コメント失礼します。part５からのパスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします！ (2020年4月1日 2時) (レス) id: 6cb6312e2e (このIDを非表示/違反報告)
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