【ハイキュー!!】魔術専門学校『悠々学園』 Part.３

土産渡し〜休憩室〜 ページ34

休憩室の中を見ると、探している人物がいた。

『おーい、影山くん』

「……あ？ あ、閃穏嵜か」

声を掛けて歩み寄ると、影山くんも私の存在に気付いて振り向いた。

「……なに、閃穏嵜」

隣で若干機嫌を損ねている様子の国見くん。

『ごめんね、話途中だったかな。出直そうか？』

「……別にいいけどさ」

何とも言えない顔をして席に座り、珈琲を飲み出す国見くん。

あー、完全に話途中に邪魔しちゃったなぁ……。

下手に謝ると拗れると思い、さっさと要件を済ませることにした。

『あのさ、影山くん』

「おう」

『連休中遠出して、お土産買ってきたんだ。

　いい場所教えてくれたから、お礼に貰って欲しくって』

「…………ああ、なんか言ったな」

連休前に教えてくれたこと本人が忘れてた。

いや、私も今回行かなかったんだけどね……。

折角教えてもらったんだしってことでお礼がしたかったのだ。

そのため土産品は、同級生に配ったものと別物のちょっといいやつ。

『魔術の溶媒なんだ。良ければ使って』

そう言って渡す。

「……なんだ、これ？」

『あー、っと。ツツジのドライフラワーだよ』

「……枯れた花？」

枯れてないです。乾いてるだけです。

『まあ、魔術の溶媒としては優秀だから。木属性の精霊と契約するときとかに使って』

「貰っとく」

『うん。受け取ってくれてありがとう。

じゃあ、私もう帰るね。お邪魔しましたー』

ひらりと手を振って、休憩室を出る。

出た、つもりだったが。

「……閃穏嵜」

国見くんに髪の毛を引っ張られた。

後ろ髪を引かれる(物理)である。

「もしかして、魚河崎行った？」

『……なんでわかったの？』

「炎虎討伐したの閃穏嵜？」

『…………なんで結びついたの？？』

口角を引きつらせていると、手首を掴み直されて、席に招かれ座らされた。

「商談をしよう、閃穏嵜」

対面に座った国見くんが真顔で言う。

『炎虎の素材目当てだな、お前！！』

「なんだ、察し付いてんじゃん」

人の髪の毛から手を離した国見くんは、何事もなかったかのように言う。

あー……以前言ってたっけ、国見商会の会長だかなんだかって。

『学園内で商談初めて良いわけ？』

「そんなこと言ったら、調理部の活動どうなんのさ」

少し呆れを含ませつつ言われた。

販売までが活動内容に含まれているものな、調理部。

『……あれ？ 売上ってどうなってんの』

「……チッ」

『調理部は上納金あるだろ！ 違うじゃん！』

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