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変化 ページ6

【胡蝶side】

「……Aがこんなとこにいるなんて思いやせんでした。」
うん。そうだろうね。だって総悟には縁なんてない所だし。

総悟が来てくれたのは嬉しいんだけどさっきの事でかなり気まずい。この狭い空間に二人だけでこれはきつい。

「なぁ、主……総悟。さっきはすまなんだ。わっちも本当は郭言葉なんて使いたくないんじゃ。」
こんなときにも口から出てくるのは(この)言葉。自分が嫌になる。いつまでも囚われてるみたいで。なんで、戻れないのかな?

「俺の方こそ怒鳴ったりしてすいやせんでした。Aが急に変わっちまった気がしたんでさァ。」
そう言って総悟はシュンとした。
まぁ、私は変わった。あの時みたいには多分もう戻れない。

「でも……総悟も変わったでありんす。じゃが、わっちは今の主も好きじゃ。」

あの時はまだ私も総悟も子供だった。
でも別々の道を歩いて今ここでもう一度合わさった。どっちも変わった。でも、総悟はあの時のまま綺麗な瞳を残してる。

「そう言ってもらえて嬉しいでさァ。A、明日も会いに来ていいですかィ?」
いつの間にかここに来たときの顔に戻っていた総悟はそう言った。
私としては全然いいんだけどね。ほら、私から土方さんに言ったくらいだし。でもさ、今気付いたんだけど……

「主は、まだ未成年でありんす。」
吉原は未成年があまり入るべきところでは無い。だから、まぁうん。
でも、また会いたいと思っている私がいる。なんでここでこんなこと言ってしまったんだろう。
「大丈夫ですぜィ。まだ暫くはここにいないといけないんでさァ。上司命令なんで安心してくだせェ。」

総悟のこの言葉を聞いて私は総悟に、来たいというような意味のこもった言葉を聞きたかったのだと。いつの間にこんなに欲張りになったんだろうか。

「じゃあ、俺はそろそろ帰りまさァ。明日な、A。」

私はバイバイというように、手を振った。

「やっぱりAは何も変わってねぇですねィ。昔の綺麗なAから変わってねェ。」
帰り際総悟がポツリとこぼした言葉。

私が変わっていない?なんで総悟はそんなことを言ったのだろうか。私はもうあの頃の綺麗な私じゃないのに。


「なんで、そんなこと言ったでありんすか?」


誰もいない部屋で一人呟いた。

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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai  
作成日時:2018年7月18日 13時

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