尋問 ページ38
【胡蝶side】
「ぬしら、真選組は知っておるか?」
まず確認。知らなかったら助けを求めるのも悪い。お金を持ってくるのを忘れた気がする。
だが、三人を見ていると知らないなんて心配はしなくてもいいようだ。
神楽は、怒りに震えているし。銀時も分かりやすく嫌がっているし。新八は苦笑いを浮かべていた。
何が合ったのか物凄く気になるが、話が長くなりそうだから聞かないでおこう。
「わっちを真選組に連れて行ってはくれぬか?」
その言葉を皮切りに神楽が私に詰め寄ってきた。凄い勢いである。出来れば、もう少し落ち着いて欲しい。
「何言ってるアルか!あんなとこ行ったら食い物にされて終わりアルよ!」
肩を掴んで力強く揺らしながら話す神楽に狼狽えつつも、食べ物にはされないと思うと言いかえした。猛獣共の住処であろう事は否定出来ないけど。
それで、神楽の番は終わったらしく次は新八が、心配そうに言った。
「あそこは男所帯ですし、胡蝶さんが危ないと思いますよ。しかも、何しに行くんですか?」
いや、私が危ないことはないと思うんだけど。総悟とか土方さんとか近藤さんとかがいて、私に何かしてくるやつが居るとも思えないし。自分の身が、護れない程弱くないし。
「総悟に用がありんす。」
一瞬辺りに静寂が訪れた。でも、それは本当に一瞬で三人は空気を全力で震わせて叫んでいた。仲が良さそうで、何より。
「で、沖田くんに何の用があるわけ?」
一番初めに平常心を取り戻した銀時の尋問が始まる。言いたくないというか。銀時に言ったら大変な事になるのは目に見えている。何とか苦しい言い訳を見つけ出そうと視線を彷徨わせる。
「…………忘れ物を届けに行くだけじゃ。」
この言い訳だと、総悟が吉原に来てるみたいな事になる。いや、間違いでは無いんだけど。誤解を招いて総悟が不利な状況になるのは避けた方がいいだろう。
案の定訝しげな視線を向ける銀時に、麻薬の捜査の話をした。これはれっきとした事実である。嘘には少しの本当を混ぜた方がより、本物に近付くとか何とか。誰かが言ってたような。言ってなかったような。まぁ、そんな事はどうだっていい。銀時が信じてくれるかどうかが肝心だ。
チラリと見やると不満げな顔はしているものの納得はしてくれたようだ。多分。
「何で行くかなんてどうでもいいネ!胡蝶が何でクソサドの事を下の名前で呼ぶかが問題アル!」
また、目ざとく見つけてしまったようで。この後も万事屋による尋問は続いた。
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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai
作成日時:2018年7月18日 13時