太陽 ページ21
【胡蝶side】
「日輪でもねェ。辻ちゃんの旦那でもねェ。てめーの
「それでも空を見上げてりゃ、必ず雲の隙間からツラを出すときがやってくる。だからよォ。俺達ゃ、そいつを見失わねーように。空を仰ぎ見ることを止めちゃいけねーんだ。」
背筋しゃんと伸ばして、
お天道様真っ直ぐ見て
生きていかにゃならねーんだ。
そう言った銀時には、綺麗な空が見えている様な気がした。いや、銀時だけじゃない。月詠にも、神楽にも、新八にも、私にも。見えるはずの無い青空が見えていた。太陽が一つだけ、燦々と耀く普通の空だった。汚くも、悲しくも、虚しくもない。ただ、誰もが見たことのある綺麗な空だった。
「しみったれたツラした連中に言っといてくれ。空を見とけって。
あの、鉛色の汚ねェ空に俺達がバカでかい
それは、無理な頼み事。私にも月詠にもそれを頼んでも達成して戻ってくる事は無いだろう。一歩足を踏み出した。
「悪いが断る。わっちらも共に行くからのう。」
私と月詠は、口を揃えてそう宣言していた。真っ直ぐ前を向いて。もう、
私の道は私で決めたい。
「吉原との戦いに吉原の人間連れていくわけにはいかねー。てめーら、裏切り者になるぜ。」
そんなことどうだっていい。裏切り者になろうがならなかろうが、私は私。太陽は、自分で見つけた方が楽しい。そして、綺麗に耀く。
「言ったはずじゃ。わっちが護るのは日輪じゃ。吉原に忠誠を誓ったことなど一度もない。晴太を見殺しにする方が余程の裏切りぞ。」
私も、月詠が百華を作ると言ったとき。吉原のためになんて思っていたらここには立っていないだろう。嫌になって逃げ出して殺されるのがオチ。
今、私がここに立っていられるのは護るべき主君が月詠と日輪という大きな存在だったからの話で。
「わっちも人に頼るだけじゃなく、自分で探してみる気になりんした。主らが言う自分の
月詠の言葉に続けて自分の今の思いを口に出す。誰もが持っているという太陽。私も手に入れて見せようじゃない。
後ろから呆れた3人の視線を受ける。
「帰るトコなくなっても知らねーぜ。」
「心配いらんわ。だってぬしら、吉原を叩き潰してくれるんじゃろう。」
期待と、少しの嫌味を込めて優しく微笑んだ。
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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai
作成日時:2018年7月18日 13時