三匹 ページ19
【胡蝶side】
中から私達の足元は壊され、銀時が宙に舞う。なんで?よくみるとそこには、大きな傘があった。
太陽の光から逃げるための傘。女を縛り付ける兎と同じ傘。神楽の傘に不快感は全くないのに、こいつらの傘には嫌な感じしかしない。どんな事情でも、どんなやつでもその傘で血に染めて来たのだろう。その分、コイツは強い。
夜兎に挟まれ、もう死ぬんじゃないだろうかそう考えた時に一番に浮かんだ顔は総悟だった。
総悟、土方さん、近藤さん、日輪、月詠。順番に浮かんでは消える大切な人の顔。この人たちを護りたい。無くしたくない。
「晴太ァァァ!!」
その声で我にかえる。今、私が一番護るべきは晴太だと。神楽が走って2匹目の夜兎へ向かっていく。その後ろから神楽と同じ髪色の夜兎が出てくる。そいつは、傘を振りかざし一言呟いた。
「言っただろ。弱い奴に用は無いって。」
そして、管を壊した。足元が崩れ、私達が宙を舞う。晴太が連れ去られるのが見える。
「晴太ァァ!!」
叫びながら必死に手を伸ばした。それでも、奴等には届かない。晴太には届かない。
その、伸ばした手にも少しは意味があったようで月詠に掴まれた。
ギリギリのところでぶら下がる月詠の足を掴んで、晴太を護るために。日輪との約束を護るために。私だけでも生きてやる。
そう思った瞬間、月詠の手が縄から外れた。勿論、全員落下。でも、この位置だったら地面に落ちることはない。私は急いで受け身をとった。
案の定、屋根の上に落ちた。音は酷いが怪我はそこまでにはならないだろう。……これが原因では。
「いてて!みんなっ無事ですか。」
新八が声をかけるも虚しく、後から銀時の神楽を起こす声が聞こえる。
「……晴太くんが……アイツら……アイツら一体……」
「…………恐らく奴等、春雨じゃ。」
宇宙海賊春雨。最強の犯罪シンジゲート。そして、敵は夜兎。ということは、第七師団。第七師団と言えば……………………鳳仙。
夜兎の王。奴はそう呼ばれていた。そして、第七師団を作り上げた。引退後は吉原桃源郷を作り、数多の女を闇へ引きずり込んだ。強さはあの、星海坊主と並ぶ。
月詠が、もう少し詳しく説明し終わった所で神楽が目を覚ました。
「……銀ちゃん…………本当にヤバイのはそいつじゃないネ。息子がいるアル。その
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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai
作成日時:2018年7月18日 13時