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童話 ページ17

【NOside】


夜と太陽と兎のお話



遊女は一度入ったら最後。

お天道様を拝むことは二度と無い。


方々から売り飛ばされてきた女達は商品としての扱いを受ける。
地下に縛られ、女として使い物にならなくなるまで酷使される。
商品(もの)としての価値がなくなれば、野垂れ死にさせられる。
逃げ出そうとしても、皆始末される。


この街が常夜の街と呼ばれるのは色里を指してのことではない。
女達は、この街に売られ初めて知ることになる。



希望に満ちた朝が訪れることはない

明けることの無い絶望を

終わることの無い夜を

生きねばならないということを



…………だが、そんな絶望の中。
商品の様な瞳をした女達の中。
たった、一人だけ違う瞳をした女がいた


死んだような瞳をしていた女達も、あの女の陽気な笑顔に触れる時だけ。その時だけは皆、自然と顔がほころんでいた。

やがてその小さな太陽は、ここ吉原を照らす大きな光となった。


そしてその太陽を護るために、月は一匹の綺麗な蝶と多くの華達と共に女を捨て、吉原を護る事にした。







そんな時、常夜を照らす光が消えた。
いや、この言い方には語弊がある。

太陽は常夜の檻から逃げた。たった一人の童を連れて。

檻を作った闇の中の最強の兎は、太陽を檻に戻そうとした。
だが、太陽は未来を捨ててでも童を護ろうとした。兎はそれを許さない。

童を殺してでも、太陽を自分のものにしようとした。
太陽は、童の未来を奪えなかった。
太陽は、輝けなかった。

太陽に雨が降り注ぐ。冷たい冷たい、心まで冷やしてしまいそうな雨が。兎を自由にさせる雨が。


太陽からも雨が降った。
それは、とても暖かく優しい雨だった。


それでも、太陽は輝けなかった。


太陽は晴天で無ければ(晴太がいなければ)輝けぬ。



太陽はまだ、童を探している。
だが、太陽にはもう自由はない。

太陽に自由を与えるには、兎から奪わなければならない。


兎の未来を。兎の太陽を。

夜兎→←子供



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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai  
作成日時:2018年7月18日 13時

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