解決 ページ13
【胡蝶side】
昨日は近藤さんに約十年ぶりに会った。幼馴染みの三人に今の自分を認められたっていうのは、凄く幸せなことで
「なぁ、主。何かありんしたか?」
と、朝から月詠に聞かれる始末。珍しく顔にまで出てしまっているらしい。
と、そんな中。私の部屋へ部下が連絡事項を伝えにやって来た。
「胡蝶姉様!麻薬事件の犯人が捕まりました!」
最近、吉原で麻薬がさばかれるようになって、そこで総悟達真選組と手を組んだのだが。その犯人が取り押さえられたとのことだ。
「いきなんし。わっちもあとから向かう。」
そう伝えて、刀を腰に携え向かった。犯人の顔を想像しながら現場へと足を進めた。
.
「ひぇっ!もうしませんから!俺はただ、金が欲しかっただけなんだ!」
呆れる。犯人の弁解でも聞いてみようと月詠と私と総悟と土方さんで鎌をかけたりしてみた。するとこんなしょうもない事を話し出す。
はっきり言ってお財布事情は興味無いけれど、とりあえず犯人が最低だってことがわかった。
「主のそんな、身勝手な行動でたくさんの奴が巻き込まれたんじゃ。罪を償うべきでありんす。」
冷たい目線を向け、そう言い放つと犯人は肩をすぼめた。
「世話になったな。コイツの身柄は真選組で預からせてもらう。」
土方さんがそういって、近くに止めてあったパトカーにのせた。
これで事件は解決した。すなわち、百華と真選組が手を組むのもこれで終わりということになる。
せっかく二人とまた会えたのに、もう会えないか。吉原の鉄の掟として私達が外に出る事は許されない。
事件が解決して喜ぶべきところなのに素直に喜べなかった。
そこで、百華の奴がこちらへ向かってきた。
「侵入者です!銀髪の浪人らしき人物が、子供を三人ほどつれています!」
そう報告を受けてしまえば、解決してしまった以上そちらへ向かわなければならない。
後ろ髪引かれるどころか、引っ張られ過ぎて抜けそうな状況ではあったけれどこれは仕事だ。
そう言い聞かせ、後ろの二人へ手を降った。
「ありがとう。」
聞こえていたかはわからない。だけど二人には感謝を伝えたかった。
私を認めてくれてありがとう。
二人への感謝を胸に私は侵入者がいるとされる方まで走った。
その途中、日輪に声をかけられた。
「日輪、どうしたでありんすか?」
「胡蝶にお願いがあるの。……あの子が来てる。あの子を絶対にここから逃がして。」
日輪の願いを叶えるべく、私は足を全力で動かした。
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きなこ(プロフ) - 匿名さん» コメントありがとうございます!自己満足だった小説を読んで頂いて、こうやって褒めて頂いて、嬉しいという言葉じゃ足りない位です!更新がなかなか出来なくてごめんなさい!精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年1月13日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - もうこの小説大好きです!シリアスさの中に恋愛要素って...技術が素晴らしすぎると思いました!情景描写も心理描写も端的で分かりやすく、人間味溢れる銀魂っぽくて素敵です!もうこの小説好きすぎる...!頑張って下さい! (2019年1月12日 17時) (レス) id: 3ba3df2a95 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ヒジキさん» ありがとうございます!そういって貰えて嬉しいです!! (2018年8月2日 18時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
ヒジキ(プロフ) - 面白いです!!これからも頑張ってください! (2018年8月2日 1時) (レス) id: 127c0c77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako__uranai
作成日時:2018年7月18日 13時