story41 演技 ページ42
【Aside】
私達が土方のオタク発言に苛立ち、蹴りまくっていると、
「副長ォ。」
その聞きなれた隊士の声。その声のはずなのになぜだか、違和感を感じた。
「ようやく見つけた!!」
「大変なんです副長ォ!」
慌てているのが、演技に見えて仕方ない。総長として隊士を疑うなんて事はしたくないのに。どうしても疑ってしまう。
「……何があった。」
できるだけ、感情を悟られないように。いつものように聞こえるように声を出した。
「山崎さんが……山崎さんが!!何者かに……殺害されました。」
山崎が?ホントに?
一瞬で私の頭は混乱した。
「やっ山崎さんが!!」
新八君が、声をだせなくなった私に変わって隊士に聞き返してくれた。
「屯所の外れで血まみれで倒れている所を発見されたんですが、もうそのときには……下手人はまだ見つかっておりません。」
この時私が冷静でいられたら気付けていた筈の空気の変化。
「とにかく!一度屯所に戻って来てください。」
「え……でも拙者クビになった身だし。」
その一言を土方が、言った瞬間パトカーに引きずり込もうとした。
「そんな事いってる場合じゃないでしょ!!総長もいきますよ!」
「さっ早く。二人も山崎の所へ。」
その言葉にハッとし、私は刀を抜くことが出来た。土方は旦那が連れていってくれた。一瞬の出来事だった。
「しまった!!逃げられた!!」
「追ええ!!」
───伊東
私の頭の中に一人の人物が浮かんだ。
これは立派な局中法度違反。真選組総長として粛清しなくてはならない。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時