story28 買い物 ページ29
【総悟side】
朝からA姉が俺の部屋に来て、イメチェンしたいと行ってきた。なんとなく俺は、眼鏡を薦めてみた。したらまァ一緒に買いに行くことになって。そんな感じで今に至る。
「総悟。これとかどうだ?」
A姉は、黒い縁の四角い眼鏡を持っている。女性らしい物だ。
「A姉掛けてみないと分かりやせんぜ。」
そうか。と呟いて掛ける所を見せて、こっちを振りかえる。
無表情だが、顔は整っているA姉ははっきり言って可愛い。
「どうだ。似合ってるか?」
「似合ってまさァ。ソレ買うんです?俺は、おすすめですぜィ。」
珍しく俺の本心を伝えた。
「そーか。これ掛けて髪下ろしたら別人見たいか?」
俺は、A姉の黒い笑みを見てなんとなく言いたいことが分かった。あれだ、旦那や土方クソヤローに告白でもして、ドッキリ的なのを仕掛けるのだろう。
「まるで、別人でさァ。モテない男なら簡単に引っ掛かりそうですねィ。」
よし。と、A姉は呟いて眼鏡を持ってレジへ向かっていった。やっぱり、俺の想像は当たってたか。そう言って、屯所へ戻る前に姉御の家に行って着物を借りてくるというので店を出て上機嫌なA姉と別れた。
「アイツら。何をたくらんでやがる。」
鼻唄を歌いながら店を出るA姉を影から見ていた土方が鳥肌をたてるのも知らずに。
知っていれば写真を撮って副長の不祥事として切腹させられたのに。なぜなら端から見たらただのストーカー、不審者である。気味が悪い。鬼が血を流して見つめて居るようなもんだ。そんな不埒なことを考えているうちに屯所へ着いた。
A姉が準備ができるまで暇だからアイマスクをして外で寝よう。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時