story27 イメチェン ページ28
【Aside】
いつものように鏡を見ながら髪を結った。そこで、私の寝ぼけた脳にある願望が浮かんだ。
「よし。イメチェンしよう。」
んー。総悟にでも相談してみるか。
「総悟。イメチェンしたい。」
襖を開け、総悟に話を切り出してみた。
「印象を変えたくて。」
少し目線をそらしながら付け加えた。ポカンとした顔の総悟が口を開く。
「A姉その髪型止めちゃうんですかィ?」
可愛い子犬みたいな顔をしながら、藁人形を作らないように。
「髪型じゃなくてもいいんだけどなにがいいかな?」
少し首をかしげてみる。昔、近藤さんの雑誌で読んだ。男はこのしぐさに弱いらしい。
「ダテメガネとかどうですかィ?あと、性格ごと変えようとするのやめてくだせェ。」
ばれたか。それにしても、眼鏡ね……
「今時お洒落なのもありやすぜ。姉御の弟みたいにはなりやせん。」
私が微妙な反応を示したからか、総悟がホォローをいれてくる。そんなに眼鏡がいいかね。でも、まぁそれならいいかも。地味にはなりたくないからね。
「じゃあ、見廻りの時に買おうな。」
そう言って、総悟の部屋から帰っていった。
「全部聞こえてんだよ。あいつら堂々とサボる気だな。」
土方が鬼の形相で呟いたことは誰も知らない。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時