story25 瓦版 ページ26
【Noside】
少し前のお話。
「近藤さん、これ見てくれ。」
そう言って、真選組局長 近藤勲にひとつの瓦版の記事を見せた土方。
「あぁ、やくざVSエイリアン興行収入1億円突破か〜。」
「そーだな。それじゃなくて、そのとなりのやつだ。」
土方は、また瓦版の記事を見せた。
「へぇ。真選組に女隊士発見か……」
そう言って近藤が見たのは、真選組総長 沖田Aが、攘夷志士を粛清している姿が写っている写真の記事だった。
「近藤さん、土方。テレビ局の奴らが来てるぞ。お前ら二人と私に用があるらしい。良かったな。私が制服を着ているところを見られなくて。」
と、今日非番だったAが言う。世間には、Aの存在は隠している。真選組は、女人禁制だからだ。
「ばれたならしょうがない。トシ、Aちゃん。全てを話すぞ。」
近藤が、珍しくキリッとした顔をした。
「近藤さん。みんな知ってますよ。姉御ストーカーしていることぐらい。」
当事者本人が、いつものように、平坦な声で言う。
「そうじゃねぇ。A、お前の事だ。」
土方のその言葉によりAが目を見開いた。そこで、今までずっと話していた会議室に人影が現れた。
「A姉の事は、まだ隠していた方がいいと思いやすぜ?」
そう言って、会議室に入ってきたのはAの弟 沖田総悟であった。
「私は、行ってもいいぞ。事情を話せば入りたがるやつもいないだろ。」
いつの間にか、隊服に着替えたAは、玄関へと向かっていった。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時