【銀魂】総長さんはひねくれ者【坂田銀時】 (ページ37)

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story36 妖刀ページ37

【Aside】

一週間前くらい。真選組に参謀が戻って来たということで、宴が開かれた。

「伊東鴨太郎君の帰陣を祝してかんぱーい！！」
「「「かんぱーい！！」」」
近藤さんの掛け声に続き、私達も一斉に酒をあおる。私と総悟のお気に入りの焼酎である鬼嫁をグビグビと飲み干しつつ、そこそこ全体が酔ってきた頃の伊藤の話を聞いていた。私も結構酔ってたからあんまり覚えてないけど。上を目指すとかなんとか言ってた。そこで隊士が、土方と伊東が話しているのを見たことがないと言っていた。なぜだか、その事だけはしっかりと覚えている。

次の日には、土方の昨日の醜態は、広まっていた。私がスピーカーで触れ回る前だったから、伊東だろう。と、容易に考えることが出来た。そのあとも度々、土方は局中法度への違反を繰り返した。明らかに様子がおかしい。そんな中、私と総悟が土方に呼び出された。いつものファミレスに着いて、三人の頼んだものが出てくると、土方は今まであったことを一通り説明した。
「てな、具合だ。……全ては刀を手に入れてから、おかしくなった。どうやら俺はホントに妖刀(コイツ)に呪われちまったらしい。」
真面目な顔でそんなこと言うもんだから、総悟は大声をあげ笑いだし、私は、飲んでいたものを吹き出した。
「だから言うのヤだったんだよ。信じてねーだろ、お前ら。信じるわきゃねーだろ、お前ら。」
よくご存じで。
「ふと気づくと、勝手に別人格と入れ替わってやがる。いや、あれは別人格なんかじゃねェ。人が誰しも持っているヘタレた部分が、妖刀(コイツ)によって目覚め始めているんだ。」
ヘタレた部分を、誰しも持ってるねぇ？あっそーかも。
「土方。ヘタレを刀のせいにしちゃダメだろ。元からヘタレなんだから。」
いつものいじる感じの軽い口調で言った。いつもなら、怒鳴りながら返すはず。
「そうスよね。俺なんて元からこんな……」
「うわ～。重症。そんなんなら、刀を捨てれば良いんじゃないの？」
こんなんになるのか。大変かも。多分これだけじゃないし。
「そいつができれば苦労しちゃいねェ。気がついたら厠や風呂まで持っていっちまう始末だ。はがそうにもはがれねェ。鍛冶屋のじじいはこんな時に限って居やがらねーし。」
えっ？何？それで珈琲かき混ぜてんの？汚いでしょ。そう思って少し土方と距離をおいた。