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story30 実行 ページ31

【Aside】

最初は一番モテない男。そう考え、童貞君が万事屋から出てくるのを待つ。おっ。出てきたらしい。今回は神楽が、万事屋から出たのを知らせ、私が実行。そして姉御が反応を伝える。という流れ。

「あのぅ。甘味屋を探してるんですけど……いいところありますか?」
必殺。上目遣い+姉御伝授のモテる女の喋り方。これで新八君は落とせるとのこと。つーかいわゆるぶりっ子じゃね?
「えっ?あの!僕のおすすめの場所があるので案内しましょうか?」
ドモりながら言うな。そして顔を赤く染めるな。新八君は実験みたいなもんだからネタばらししようとするか。連れてかれても困るし。
「大丈夫ですぅ。私、甘いものより辛いものが好きなんで。」
いつものタバスコをかざし答える。真っ直ぐ新八君の目を見て無表情で。
「……Aさん。なにやってるんですか。」
あきれた表情で新八君は言う。
「イメチェンしたらドッキリしたくなったんだよ。だから、実験台として新八君にしてみた。旦那には言うなよ。」
何か言いたそうな顔をしていたが、ひとつため息をついて
「分かりました。銀さんには黙っておきます。じゃあ気をつけて帰ってくださいね。」
いつものように言ってくれた。手を降ってそのまま屯所へ。


髪の毛だけを結んで話し掛ける。
「私は、土方のことが好きだぞ。」
えっと、何でこんな状況かというと、土方には私が天人から没収した赤い粉を間違えて食べてしまったことにしたのだ。で、考えていることがすべて口から出てしまうようになったと思っている。だから居なかったことになってるんだが……的なやつだ。もちろん、総悟は知ってる。
「いや、お前な?一応ここは……」
土方は、一つため息をつく。顔を手で被っているから顔は見えない。だが、耳が少し赤いような。まぁ、いいだろ。あとは総悟に任せる。
「土方。返事待ってるからな?旦那のとこ行ってくる。」
私は、こう言って、背を向けて万事屋へ向かった。


「旦那の天パモフモフしてもいいですか?」
今は万事屋で、ソファにネコのように座っている。これも姉御直伝。
旦那は寝ているから返事はない。今のうちにと膝立ちで頭を触り始める。旦那の目はまだ閉じられている。ちょっと三つ編みとかしてみようかな。あ、起きた。
「ちょっ!お前何やっ……」
旦那が言葉の途中で黙るから、何かと思って下を見ると旦那の顔の前には私の胸が……
「じゃあ……帰ります。」
姉御絶対許さない。私の顔が少し赤くなった。

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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai  
作成日時:2018年2月5日 13時

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