22話 髪 ページ23
俺が体育館に入ると、すでに体育館にいた先輩たちがざわざわし始める。
まぁそうだよな…。
練習着着た女がここにいたら俺が相手の立場だったらぶっちゃけビビる。
田中「説明は必要かもな。いけるか?」
A「はい。」
田中先輩が集合をかけてくれて、さっきの話を他のみんなにも話す。
レギュラーの先輩や1年生のようにみんな納得してくれて、何事もなかったかのように練習が始まる。
湊「A、髪の毛結んであげるからおいで〜。」
湊に呼ばれて前に立つと慣れた手つきでポニーテールを作ってくれた。
A「ウイッグ持ってるぞ。」
湊「もちろんズボンと一緒に出してきたよ」←
A「マジでふざけんな…」
いつも通りの練習が終わり、更衣室で着替え、外に出ると修と湊が待っていた。
虹村「おっせーよ。遅れんだろ。」
A「うるせぇ。」
湊「相変わらず仲良いね〜」
A・虹村「ちげぇよ!!」
同時に突っ込むとお互いの顔を見合わせてフンッとそっぽを向く。
虹村「つかさ、切ればいいじゃん。髪。」
唇を尖らせながら唐突に言ってくる修。
A「切ったら殺されんだよ。つかお前こそ髪の毛黒に戻せよ。プリンになってんぞ。」
虹村「プリン言うな。うるせぇ。親への抵抗ってやつ、やってみろよ。案外いけんじゃねぇの?」
A「お前が黒にしたらやってやんよ。」
虹村「はぁ?なんでだよ。」
A「なんだよ。そんなに黒にしたくないのかよ。かっこいいからか?」
虹村「ちげぇよ!!」
湊「はーい。ストップそこまで。」
言い合いをしていると俺と修より頭1つ分ぐらい小さい湊が仲裁してきた。
湊「もう仲良いのは分かったからさ、授業遅れるよ?教室行くよー!」
俺と修の手を引いて楽しそうに前を歩く。
虹村「おい離せよ!」
湊「修くんうるさーい」
目が全く笑ってない湊がこっちを振り向くと、修はまた口を尖らせながらも静かになった。
湊「Aも今日はスカートなんだからちゃんと膝閉じて座るんだよ。分かった?」
A「はーい。」
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作者名:雪 | 作成日時:2015年11月23日 1時