Zynchro所属、女の方の柿原。

あの頃*過去* ページ11

車が歩行者にぶつかった事故。
ことは柿原さんと一緒にいた時に起こった。









「Aっっ！！！！！Aっ！！！！！！」





遠くからピーポーピーポーと救急車の音が聞こえた。
柿原さんの叫んでる声も聞こえる。







あぁ、やっと所属できたのに、柿原さんに恩返しも出来ないまま人生が終わるのか……


そう思いながら私は意識を手放した。









．



目覚めた先は天国ではなく、病院だった。
柿原さんは色々関係者各位に走り回ってくれていたそうで、目が覚めた時隣に寝ていた柿原さんの目はクマだらけだった。







『……しゃちょ、かき、はらしゃちょ、う』


ポンポンと柿原さんを起こすように叩くと、顔を上げた柿原さんは私を見るなり抱きついてきた。



「柿原……！意識が戻って…？」

柿原さんは、クマだらけの顔でクシャッと笑った。






『はい…どのくらい意識がなかったのか、分かりませんけど。でも、生きてます…良かった…』

「…良かったぁ…っ俺、もう柿原がいなくなっちゃったら、どうしていいか分からないよ…」




『心配かけてごめんなさい…柿原さん。』




「うん…とりあえず、お医者さん呼ぼっか。」

『はい…』









．

このあと私は退院を控えて病室で帰る準備をしていたところに、社長が倒れたという一報が入った。

いつもの日常が戻りそうになった矢先、今度は柿原さんが倒れたのだ。

あの頃2*過去*→←おやすみなさい。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す