余裕がなくなる理由を知ってる 01 ページ26
家に帰ったはものの何もする気の起きなかった私はお風呂に入って、夕食を正直あまり食欲はなかったけれど心配をかけるので多少無理して食べて、早々にベッドに入ることにした。けれど部屋を暗くして横になったとたん、涙が溢れてきて、私がしんどいと思うのは違うと解っていても苦しくて、全然寝付けずにただ時間が過ぎるのを待った。
明るくなりかけた空をカーテンの隙間から窓越しにぼんやりと見たのを覚えている。その頃に漸く眠くなって、けれど十分な休息を得られる前にスマホから起床時間を知らせるアラームが鳴った。瞼を上げる事にすら苦戦した。明らかにいつもより身体が重いし、頭もズキズキと痛い。
布団から出ると、気温は今日も高いとを解るのにふるりと寒気に襲われた。
——なんでよりにもよって今日。
そう思う一方で、昨日の事があったから今こうなっているのは解っていた。でも、だからこそ、今日に私が、学校を休む訳にはいかない。這ってでもいこうと、自分に言い聞かせてリビングへふらふらと足を運べば珍しくこの時間に起きている母親がテレビを見ながら優雅にコーヒーを飲んでいた。
「おはよう」
「おはよー」
珍しいね、とか世間話をふる余裕すら私にはなくて、のろのろと脱衣場へ向かう。その様子を母親がじいっと見ている事にも気付いていなかった。
「体調悪そうだけど、大丈夫？」
「あー、うん。ちょっと頭痛いけど大丈夫」
「ちょっとに見えないから念の為熱計りな」
言われて、ムキになるのも変だと思って応じた。正直、身体は重いけれど熱は大した事ないだろうと思っていたのだ。なのにピピピピピッという音と共に表示された数字は37.7度で。
大きなため息と共に、今日は学校を休むようにと母親に告げられた。渋った私にそんな状態で行っても迷惑かけるだけだから、鏡で自分の顔を見て来いと言い流れるように学校に欠席連絡の電話をされた。
洗面台映った自分の顔は確かに酷い有様で、とてもみんなに見せられるものじゃあなかった。
『なんか急に熱出てきたから今日休むねー』
ベッドに横になりながらユカとサオリちゃんとのグループにそうメッセージを送って、次に慎太郎の画面を開いた。
けれど結局何も送ることが出来ずにスマートフォンを手から離す。昨晩なかなか寝付けなかった所為で今は異様に眠くって、私は直ぐに意識を手放した。
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夕色(プロフ) - つばささん» つばささん！ありがとうございますっ。なんとか完結出来ました。でも今だいぶ空気が抜けた風船みたいな状態なので、すぐに次の話を書ける方すごいなーという気持ちでいっぱいです(^_^;)。 (2022年1月24日 19時) (
レス) id: 109b0e65b2 (このIDを非表示/違反報告)
つばさ - ID違うけどつばさです！完結おめでとうございます！キュンとしたり切なかったり…本当に素敵なお話でした(^^)終わりは寂しいですがお疲れ様でした✨ (2022年1月24日 16時) (レス) id: d22c4c2f70 (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ★mmiioo★さん» コメントありがとうございます！月曜固定更新にしたのは、自分的に楽だったからですが読んでくれてる方にも楽しみにして頂いたみたいで嬉しいです。二人とも良い子なのできっと良い人に巡り会えるはず！自己満足な裏設定もお読み頂きありがとうございました😊。 (2022年1月24日 14時) (レス) id: 109b0e65b2 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - はじめてコメントします。このお話を見つけてから、毎週月曜日が楽しみでした。ようやく二人が結ばれてほっとしましたか、失恋した2人も近い未来、大切な誰かと出会えますように。皆優しくて、読んでいて心地いいお話でした。裏設定、面白かったです(*´∀`)♪ (2022年1月24日 10時) (レス) id: 9bdd0af86e (このIDを非表示/違反報告)
夕色(プロフ) - ubisiさん» コメありがとうございます！なんとか無事に走り切ることが出来ました。青春ど真ん中の話が書きたかったのでそれを感じて貰えたみたいで良かったです。 (2022年1月24日 10時) (レス) id: 109b0e65b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕色 | 作成日時：2021年11月22日 8時
