無気力な彼に宣戦布告【赤葦京治】

episode.16 ページ17

昨日、京治が送ってくれたおかげで無事に家に帰ることができた




あの時はただただ安心していただけだったけど








今思い返せば京治と二人で一緒に帰ったって




なかなか自分の中でのビッグニュースなんだが








待って時間戻せないかな？



昨日の私と入れ替わりたい









なんて馬鹿みたいなことを考えていた





すると




「神田さんちょっと聞きたいことあるんだけど、いいかな？」




長谷川さんからお呼び出しがかかった









人があまり通らない廊下へと呼ばれる





そこに行くと、
長谷川さん含め三人の女子が待っていた





たしかあれは、
東雲さんと橘さん…かな……？




正直名前は合っているか分からないけど、いずれにせよ三人とも一軍女子



スクールカースト上位に君臨する人間だ







『聞きたいことって何？』




長「あのさ、嘘だとは思うんだけど昨日赤葦くんと一緒に帰ったって本当？」




え、なんでこの人たちが知ってんの


怖いんだが



『なんで急にそんなこと聞くの？』



東「なんか私の友達が見かけたらしくてさ、でも嘘だよね？」




『一緒に帰ったけど、それが何？』



長「ちょっと赤葦くんに近付かないでって言ったよね？」



橘「てか、神田さんと赤葦くん付き合ってんの？」





『付き合っては…ないよ』




橘「だよねー笑 だって釣り合わないもん笑」



長「それねー笑」





そんなの自分でも分かってる



今更人に言われたってどうってことない




東「てか、もし付き合ってたら赤葦くんのセンス疑うわー笑」



長「たしかにー！あんなに完璧なのに女の趣味は最悪的な？？」



橘「それ一番嫌なやつじゃん笑」






待って、なんで京治がそんな悪く言われなくちゃいけないの？




別に付き合ってないんだし








私のことはいくら貶してもいいけど




京治のことは悪く言わないでよ




『長谷川さんも赤葦くんのこと好きなのに、なんでそんな悪く言えるの？』



長「私はもし神田さんと付き合ってたら趣味悪いよねって言っただけ。でも付き合ってないんでしょ？」



『そうだけど…』



長「神田さんって赤葦くんと付き合いたいって思ってるの？」




『それは…』



「赤葦くんはみんなの赤葦くんなの！それに釣り合わないのに横にいても苦しいだけじゃん？」









「全部神田さんのために言ってるんだよ？」

episode.17→←episode.15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す