裏切り幹部の御姉様２

story５５ ページ46

「…やぁ、中也」



一見冷静を装っているAだか

その表情にはやや焦りが見られた





「…」








2人の間に沈黙が続く






その沈黙を破ったのは彼の






中原「…悪かった」








というこの一言









「…やだ」






中也の謝罪に対し彼女は冷たく言い放った







その言葉に中也は顔を歪める






その表情を見たAも顔を歪めた








中原「っ…




もう…俺のことは、嫌いか…？」






弱々しく今にも消えそうな声で呟いた








「…嫌い」






中原「…！」






嫌い


という言葉に彼の肩が跳ねた





顔を隠すように深く帽子を被り直し



Aに背を向け歩き始める





そんな彼に向けてAが涙ながらに叫んだ





「…になん、て…






嫌いになんて…








なれるわけないじゃないっ！！この馬鹿っ！｣






中原「！！！」






「たとえアンタが私のこと嫌いになっても…





他の女の人を好きになっても…






私は、貴方しか愛せない…」






彼女が叫んだ自分の気持ち





それを聞いた中也は言葉より先に体が動いたようで







弱々しく震えた彼女の体を抱き上げ




溢れ出した彼女の涙が滴る頬にキスをした








中原「好きだ、愛してる」








「その前に姐さんに言うことは…？」






中原「ご、ごめんなさい…」




「よろしい」








そう言った彼女の涙はいつの間にか止んでおり









2人は幸せな笑顔を浮かべていた

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