第十話 ページ12
「じゃあ茅野。学級委員だし、丁度いいだろ」
茅野さくらさんだった。そいつは驚いて顔を上げ、声を張り上げる。
「丁度いい、って･･････！嫌です、絶対嫌！！！」
「じゃあギブアップする？その代わり、
誰か死んじゃうけど。」
「･･････そんな･･････。」
言葉を失ってしまう茅野さん。沈黙を破るかのように甲斐が椅子を手に、立ち上がった。何する気だ？
「っっふざけんな･･･っっ！！こんな茶番付き合ってられっか！！！！」
甲斐が窓に椅子を叩き付けた。が、窓は割れることなく、そしてびくともせず平然としている。って椅子飛んできてるし。おい、ちゃんと周り見ろよ。そう思いながら、触れた。あ、手袋つけ忘れた。･･････あ、やべ、おわた。そして、一瞬浮き掛けたが、慌てて重力操作して、落とした。そしたら、床に叩きつけられました。終わったぁ。ま、こうなったら仕方ねぇ。そう思い直して、
『ったく、ふざけやがって。誰かが怪我したらどう責任とんだよ、手前ェ･･･。』
甲斐に対して、ほんの少しの殺気を込めて、睨む。ま、少しだから冷や汗でる程度だろうけどな。
『あ、あと、強化ガラスだろ？窓。･･････そうなると、割れねぇよ？きっと。』
「･･････なっ･･･！」
「そうだよ、中原の言う通り、その窓は強化ガラスだから割れないよ。」
やっぱり、と思った。
「俺はふざけてもないし、茶番でもない。俺は半年間、この日のためだけに過ごしてきたんだから」
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作者名：十六夜紅葉 | 作者ホームページ：http://yuuha0421
作成日時：2023年6月14日 20時
