職場 ページ9
『・・・っ、わ、私の・・・傍に・・・居てください・・・。』
思わず出した言葉はとても弱くて、とても、頼りないものだった。
「・・・判った。いつまで、居れるかは判んねぇけど、傍に居る」
と、彼は応えてくれて。私はその優しさに、また涙がこぼれてしまったんだ。
とまぁ、そんなこんなで初日から1週間くらいした頃。中也さんの職場について行くことになった。しかも、マフィアらしい。・・・物騒だ。物騒がすぎる。そう思いつつ、少し緊張した面持ちでついて行った。そして、彼の執務室で私は留守番だった。
『はぁ、まぁ、何もすることないし座っとこ』
そして、適当にソファーでのんびりしてると、誰かが入ってきた。
『?』
ソファーで寝っ転がってたのを起き上がると、男の人がいた。
焦茶色ののような髪の蓬髪。
とても引き込まれるような、そんな黒曜色の瞳。
砂色の外套を着ていて、躰のいたるところに包帯を巻いている
そんな男の人。
『えっ、と・・・どなた?』
「えっ?・・・あれ、君、誰?中也の彼女?」
『へっ?・・・えっ、と、中也さんの・・・知り合い・・・?』
「知り合いも何も、元相棒だよ」
そう云って、男の人はほんの少し
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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時