傍に居て ページ15
「は?俺に?」
と、聞き返されて私は頷いた。
『はい。あなたに見惚れてました・・・』
「そ、そうか・・・」
『えっと、中也さん』
「?」
『あの・・・私、その、えっと』
「如何した?」
『中也さんの傍に居て・・・いいですか?』
「え?・・・そんなの・・・いいに決まってんだろ。」
『!』
私は思わず頬が赤くなった。何意識してるんだろ。そう思ったが、嬉しくなって、頷いた。
『ありがとう・・・ございます・・・!』
「おー・・・如何いたしまして?」
『あの・・・私、迷惑じゃない・・・ですよね?』
「ったりめぇだろ、迷惑だったら拾っても保護まではしてねぇよ。」
『・・・そう・・・ですよね・・・』
「ただ、お前が俺のそばに居たら、危険な目に遭わせるかもしんねぇぞ?」
と、云った彼の瞳は不安げに揺れていて、まるで、幼い子供を見てるみたいだった。・・・私は思わず、彼の方を見つめた。そして、彼に近づき、抱きしめる。そして、慎重に言葉を紡いだ。
『いいんですよ、それでも。私は貴方のそばに居たいんです。』
と、微笑みかける。そして、云いたいことを、とても熱い胸の内を、声に乗せて、伝えようと言葉をゆっくり紡いでいく。
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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時