見惚れる ページ14
そして、そんなこんなで、マフィアから帰ってきた。
『つ、疲れた・・・』
「お疲れ様・・・?」
少し困惑しつつも、私の頭を中也さんは撫でてくれる。嬉しかった。
『あ、あの、中也さん』
声をかけると、彼は少しキョトンとした表情をして、
「如何した?」
と、返してくれた。私は少し微笑む。
『
「嗚呼、そうだな。いい人ばっかだな」
と、微笑みかけてくれた。その太陽のような笑みが私に向けられたその瞬間、思わず眩しく感じた。そして私は反射的に視線を逸らすように俯いた。
「如何した?」
中也さんが私の方を心配そうに覗き込んでいる。
『な、なんでもないです・・・!』
私は慌てて彼をまっすぐ見つめる。彼のとても深い海の色に覗き込まれた。
『・・・・・・』
思わず彼の瞳に惹き込まれた。見惚れてしまった。不覚にも。
「A?」
『は、はい!』
「如何した?本当に」
訝しげに見られて、私は少し俯きつつ。
『えっと、み、見惚れてました』
と、返した。そしたら彼は、驚いたような表情をした後、
「俺に?」
と、尋ねてきた。私はほんの少し頷いて、
『中也さんの・・・とても綺麗な海色の瞳に・・・・・・』
見惚れてました。と、付け足した。
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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時