引き立て役 ページ1
小学1年生の、あの日。
「あ、Aはうちの引き立て役だから」
と、云われて、私の中で何かが崩れ落ちた。だけど、逆らう勇気なんて、私にはなく。仕方なく、その子の引き立て役として、生きてきた。
『・・・私の生きる意味って、なんだろう?』
・・・私に、生きる意味なんてない。そう思った。だから私は、車道に飛び出した。
キキー
ドンッ
そして、そのままぶつかって、
私の躰は、舞った。
そして、打ち付けられた。激痛が走る。
だけど、後悔も、未練も、何もない。
少しくらい、後悔したかったなぁなんて、
思いながら、少しずつ、意識が遠退いていった。そして、そのまま、意識が暗転した。
そして、意識を取り戻すと、真っ白な空間が広がっていた。ここは、何処だろう。
『・・・・・・此処、は?』
「あ、起きた?」
『・・・・・・だれ?』
「僕は、シンだよ。生死を司る力があるの。」
『・・・・・・そっか』
私、私は・・・・・・死んだんだ。
『・・・あはっ・・・・・・あははっ!』
嬉しかった。・・・もう、あいつは、れいは、居ないんだ。私はもう、引き立て役として居た頃じゃないんだ。
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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時