第三話 ページ5
「こりゃ凄い力だ。人の首くらい簡単に圧し折れる」
と、呑気に呟く治を一瞥。オレは元々敦くんが座っていた処に座り、見ていた。そしたら、
「獣に喰い殺される最期というのも中々悪くないが君では私を殺せない」
治が異能を発動させる。そして、白っぽい光に包まれる敦くん。そして、気を失ってる敦くんを治は振り払う。･･･可哀想に。そう思った時、独歩の声が聞こえた。
「おい、太宰！翼！
全く次から事前に説明しろ。おかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ」
あれ、オレも非番だったんだけどな･･･そう思いつつ苦笑した。どうやら何か治が連絡していたよう。独歩の背後から、
「なぁんだ、怪我人は無しかい？つまんないねぇ」
与謝野晶子＿＿能力名 「君死給勿」
「中々出来るようになったじゃないか。ま、僕には及ばないけどね！」
江戸川乱歩＿＿能力名 「超推理」
「でもそのヒトどうするんです？自覚はなかったわけでしょ？」
宮沢賢治＿＿能力名 「雨ニモマケズ」
「一応区の災害指定猛獣だぞ」
国木田独歩＿＿能力名 「独歩吟客」
『治のことだし決めてるでしょ』
彩綾翼＿＿能力名 『黒星に願いを』
続々とみんなが集まってきた。そんな中、治は妖しげな笑みを浮かべた。嫌な予感がする。
「実はもう決めてある」
太宰治＿＿能力名 『人間失格』
そして、倒れている敦くんを一瞥して、云った。
「うちの社員にする」
と。これが、始まり。幕開けだった。とまぁこれが敦くんが入った頃のお話。そして、そのあと、入社試験を終えて、樋口一葉と名乗る女の人が来て、依頼を受けたらしい。それに、谷崎兄妹と、敦くんとオレで、行くことになった。
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