第二十二話 ページ24
取り敢えず、この赤毛は虎くん目当てって感じだね。
止まっているおれと首領、つーちゃんがいても虎くん狙いのままだし。
寝転がるの飽きてきた…口の中にまだ甘さが残っててすごい不愉快……
『
口の中が甘…すみません。』
そーいや、さっきエリスちゃんに口に物を突っ込まれてるおれを「見ていいな……エリスちゃん、私にも…」って云ってたな。
てか、おれってそんなに細いかな…肉類は食えないわ、草食なわけでもない、食は細いか……
うん…そう悶々と考えていると何時の間にか、虎くんが鍵を使い扉を開けようとした。
だけど、
「少年、危ない!!」
虎くんの喉元に変形した?鍵の針が刺そうとしていた。
そして、落としてしまった鍵を拾い上げ使おうとした。
危険だね。
『
「深くなければ治せるよ、何故だい?」
『了解。虎くん。その鍵貰うよ。』
つーちゃんはおれがどうしようか、何をしようかというのに気付いたのか止めようとしたが、遅く、おれの喉の側面には紅い滴が糸を描く様に芽を掲げていた。
「あら、何をするかと思えば自 殺行為?まぁ、貴方も捕まえてあげる!!」
そう云われると眼の前にでかい腕が数本迫ってきた。
疾いな……まぁ、いい、ここは捕まってあげよう。
動かずにそのまま捕まった。
『虎くーん、つーちゃん絶対助けてね〜!』
そう片目を閉じて、笑いながら云うと可笑しくなった人を見る様な目で見られていた。
そして、”開いたまま”の扉に引き摺り込まれる瞬間に隙間に持っていた鉤爪を引っ掛け、その鉤爪に自身の衣類を引っ掛ける事で完全に入る事を阻止した。
この前のお兄さんの方の異能力で閉じた様に見られた扉の向こうから、虎くん達の勇姿を見届けようとした。
まぁ、いざ完全に不利になったら、さっき予防としてつけてた異能力を発動させる。
その心算。
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