第一話 ページ3
『はぁ、如何してオレが･･･』
ため息をつきつつ、近くの川辺を歩く。そしたら、目の前で
『ここの川辺だったんだ』
そして、慌てて走った時。治を助けてた少年が居た。そして、治が起き上がる。え、オレ？オレは大人しく見てるよ。隠れてみてる。そして、何か話してたようだった。オレも巻き込まれそうだし一旦戻ろうかな。まぁそんなこんなで結局ついていってた。え？ずっと隠れてたよ。そして夜。なんか、半強制的に中側に入れられた。解せぬ。あ、ちなみに、助けてた少年の名前は中島敦というらしい。
「本当にここに現れるんですか？」
敦くんがほんの少しの疑問を呟いた。
「本当だよ」
そして、ほんの少し敦くんの方を向き、
「心配いらない。虎が現れても、私の敵ではないよ。こう見えても、“武装探偵社”の一隅だ。」
と、云う。そしたら、敦くんがほんの少し驚いた表情をしたが、顔を抱いた膝にうずめてしまった。敦くんはポツポツ語り始める。それを聴き終わったあと、オレは何も云わず、ポンポンと敦くんの背中を叩く。これしか方法が思い付かなかった。
「却説･･････。そろそろかな。」
と、治が空を見上げた。空
「今･･･そこで物音が･･･！」
『うん、何か落ちたんじゃない？』
「そうだよ、風で何か落ちたんだろう。」
え？風吹いてたっけ？
「ひ･･･人食い虎だ･･･。僕を喰いに来たんだ･･･！」
『･･･落ち着いて。あんな処からは来ないよ。虎なんて大きな動物』
「うん、あんな処からはね。」
「ど、如何してそんなこと判るんですか･･･！！？」
いや、ここ、倉庫だよ？そうつっこみたくなったのを飲み込む。
「そもそも、変なのだよ、敦くん。
経営が傾いたからって、養護施設の児童を追放するかい？･･･大昔の農村じゃないんだ。それに、経営が傾いたのなら一人二人追放したところでどうにもならない。半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ。」
「太宰さん、何を云って･･･」
と、敦くんが上を見上げ固まった。そして、
彼の姿は虎に変わる
『へぇ、異能者だったんだ。』
「うん。」
そう、オレに軽く返したあと、敦くんの方に向き直る。
「大方、施設の人は虎の正体を知っていたが君には教えなかったのだろう。君だけが解っていなかったのだよ」
そしたら、敦くん･･･否、虎が、治めがけて襲い掛かる。だけど、治は軽々とかわす。
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