手に負えない姉妹愛 続 ページ9
…明るい。きれいな白いシーツ。
「お姉ちゃん!美々子、お姉ちゃん起きた!」
菜々子の声が聞こえる。元気そう…元気そう?
起き上がろうとしたが体が動かない。せめて周りを見ようとしたが、カーテンで覆われている。
「お姉ちゃん!」
美々子と菜々子が顔を覗き込んで来る。美々子は目が潤んでいるが、二人とも顔色が良い。あのお兄さんが助けてくれたのか。
「邪魔するよ」
綺麗な女の人が私の額を触ったり、点滴を抜いたりしている。なんだか新鮮だ。されるがままになっていると女の人が怪訝な顔をした。
「怖くないの?」
怖い?怖くはない。村の人には殴られたけど、一度だけだしすぐに気を失ってしまった。それにこの人は、
『優しそう、だから』
驚いたようだったが、菜々子が横から
「優しいんだよ、硝子さん」
と声を掛けて、照れくさそうにしていた。
その後、夜蛾さんという人に高専で保護される事や、ジュジュツの才能がある事を伝えられ、ほわほわした気持ちで三人で過ごした。
ただ、未だに私はげとうさんに会えていない。
美々子も菜々子も話したと言っていたのに、私はしばらく顔も見ていない。
『どんな人なんだろう…』
一週間後にげとうさんに会うまで、構ってくれないとミミナナが拗ねていた。
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作者名:くろ | 作成日時:2020年11月5日 22時