病室のあの子 ページ6
僕はあの子の病室を訪れることにした
なんと、あの子の家に行ったら置き手紙が書いてあったのだ。
まるで、僕が来ることを予想していたかのように
コンコン
茉莉「どうぞ」 ガチャ
A「久しぶり。鈴木さん」
茉莉「うん。久しぶりだねA君。」
たくさんの管で繋がれた彼女
痩せ細った体、繋がれた酸素マスク
笑顔だった顔も苦痛に歪んでいる
A「何で、言ってくれなかったの..?」
僕は耐えきれず言ってしまった
頼って欲しかったから、助けてあげたかったから
僕は不意に彼女の顔を覗いてしまった
彼女はこう言った
茉莉「ううん。言ったよ、ずっとずっと前に。君に伝えたんだよ」
泣きそうな顔で彼女は言った
時間が止まったようにも思えた
暑い暑い日のはずなのに
体温が一気に下がり、やけに大きく聞こえた蝉の声さえ聞こえなくなった
そんな中はっきりと聞こえた彼女の言葉
ずっと前に伝えた....?
一体どういうことだ.....?
そう思いながら僕は
床に倒れ込んでいくのがわかった
ひどい頭痛に吐き気、目眩に襲われた
やがてやってきた看護師たちに僕は運ばれたのだ
目が覚めた時にはきっと
全てがわかってるような気がした
だって
倒れる寸前、彼女の後にいた竹内さんが
微笑んでいるのが見えたから
茉莉said
ねぇ、覚えてないの....?
ずっとずっと前に交わした約束。
ねぇ、いつになったら思い出してくれるの?
ねぇ何回私は
目の前で息絶える君を見ればいいの?
後何回
この夏を過ごせばいい?
君が消えた夏を
私が苦しむ夏を
世界はまわってる。でも、また戻り始める
きっと、彼が気づくまで
この不幸は終わらない
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作者名:夕槻 湊海 | 作成日時:2018年6月19日 23時