千空と…？ (ページ1)

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1話ページ1

『3階の階段の踊り場に来て。作戦開始だよ』

そう昴からメールが届いて、俺は保健室(待機場所)から出る。楽しみにしててよ、届音煌希。

｢ねぇ、君｣

ようやく見つけたサッカーボールを持った後ろ姿に声をかける。

｢ん？えーとお前は確か同じクラスの…｣
｢七瀬千空、だよ｣
｢嗚呼、なんの用や？｣

俺は少し悲しげに表情を歪めた。

｢実は…階段の踊り場で、君の弟二人が倒れてるの見つけてさ…今は保健室に運んだんだけど…｣
｢はっ！？ほんまっ？｣

｢知埜！トワ！｣

ベッドで寝ている二人に駆け寄る煌○。

｢何があったか分からんの…？｣
｢うん…俺が来た時には既に倒れてたから…｣

心配そうに二人を見つめる空色の瞳。昴の話に聞いた通り、とても綺麗な顔をしている。

｢……昨日から紫曜付近の弟妹がおかしいねん…｣
｢ん？何かあったの？｣
｢あ、…いや…なんも…お前に言ってもな…｣

聞かせてよ、君の弱音を。でもそれは今では無い。

｢そっか｣
｢おん…弟達をありがとうな。後は俺が見とくから、もう帰ってええで…えっと…千空？｣
｢ううん、大丈夫だよ。それじゃあね｣

上がりそうな口角を抑えながら、俺は保健室を後にした。