トリップしたら、友達の推しがいる世界だった【中原中也】【文豪ストレイドッグス】【ブイズ】

#7 ページ8

担がれたまま歩くこと数十分。

気がつくと大きな建物の前に立っていた




『…ここは？』

「ここは私達が仕事をしている組織、ポートマフィアの拠点です」

『ポートマフィア…？聞いたことあるな……』




確か久美の推しの話にそんな単語が出たような気がする

細かいところは知らないが、マフィアということは裏社会の組織だろう。

僕はなんていうところに来てしまったんだ……


ズーン、と落ち込んでいる僕を金髪の女性は気にかけてくれたが、

やつがれ野郎は完璧に無視して中に入っていった。

勿論、担がれている僕も同様に。

何人ものスーツの人間が仕事をしているようで、大きな組織だということが分かる

そして、このやつがれが結構上の立場だということも

…さっき金髪の女性はやつがれ野郎の他に、幹部という言葉を使っていた

やつがれはその下くらいなのだろうか




「…ここが首領の部屋だ。話はお前からしろ」

『分かってますって。失礼のないように、でしょ？』

「当たり前だ。…失礼します首領。芥川です」





「やあ芥川くん。入ってきたまえ」




堂々とした声。

首領と呼ぶにはふさわしい雰囲気を醸し出した人間がそこにいた

…なんだか吸血鬼みたいな人だな←(個人の感想です)




「君が橋本君だね？すまなかったね…完全にこちらの不手際だ」

『…まぁはい。でも、分かってくれたのならもう気にしません』

「心が広いみたいで何よりだ。それと、自己紹介がまだだったね。
わたしは森鴎外だ。ここ、ポートマフィアの首領を努めているよ」

『橋本Aです。記憶喪失なだけの普通の中学生です』




想像よりも優しいトップのようだ

もっとこう…「拷問だ拷問ー！」みたいなのかと思ってましたすいません

マフィアだって人間ですもんね、はい

いやでも、普通の人よりかはひどい仕事を簡単にこなしてしまうのか

……何だかここにいる自分が異物のように感じてきた。

#8→←#6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す