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チビの家に帰ってくると、買ってきた荷物を使っていいと言われた部屋にしまう。
この世界物騒すぎやしないか…?
突然あんな強盗みたいなやつがでてきたりするのが現実だとは思いたくない。
久美が好きだと言っていたこの世界を、僕はどうにも好きになれそうにないようだ。
「A、お前もしかして弟か妹がいるのか?」
『え、何でですか。…というか僕記憶喪失なんですけど』
「あぁそうだったな。そういう設定だったわ」
『設定とはなんですか、設定とは。事実です』
まるで僕の嘘を見抜いているかのように言いやがって…
そういえば女の人たちから助けてあげた報酬をねだるのをすっかり忘れていた。
仕方がない、家にあるもので我慢してやるか←
(…あれ)
キッチンに来たのは今が初めてだった。
そこにはワインセラーがあり沢山のお酒が並んでいた
どれも高級そうで僕の家族だったら手に取れないくらいの金額なのだろう
もしかしたらあのチビはお酒…ワインが好きなのか
まだ子供だから味とかまではわからないが、確かに美味しそうには思う
「おい、流石に飲むんじゃねぇぞ?」
『分かってるわボケナス』
「本当に口の聞き方がなってねぇなぁ…まだ青鯖の方が言葉遣いは良かったぜ」
『…青鯖は喋りませんよ。大丈夫ですか?』
「本物じゃねぇから!!」
今日は疲れたのか、そういうとチビはソファに腰掛けた。
ぐったりしているのを見ると本当に面倒くさかったんだろう
…本当に仕方がないやつだ
僕はポケットから石を出して氷の石に変えると飲み込んだ。
するとさっきの奴らを凍らせたグレイシアに大変身!
ひんやりとした体をチビにこすりつけてやれば、気持ちよさそうに僕を抱っこして腹に顔を押し付けた。
「すぅぅぅ……」
『………』
これあれだ、見たことがある
確か猫吸いというものだった気がするけど、なぜそれを僕にしているんだ
ひんやりしていても匂いは同じ石鹸を使っているお前と同じじゃよ
「…お前は良いよなぁ、気が楽そうで」
『…シア』(お前と比べたらそうだな)
「俺は最近ずっと任務でよ。今日くらいは休もうと思ったんだがなぁ…」
そう言ってチビは目を伏せた。
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リムル=テンペスト - ユウさん» 御返し有難う御座います 中也やっぱ格好良いなぁ (3月29日 21時) (レス) id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - リムル=テンペストさん» コメントありがとうございます!そうですよね、僕も言われてみたいです! (3月27日 21時) (レス) @page31 id: 0bfe5b1bfd (このIDを非表示/違反報告)
リムル=テンペスト - 良い子だで耳が燃え尽きたんだけど⁉︎ (3月27日 1時) (レス) @page16 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
リムル=テンペスト - いいなぁ僕もこの世界行きたい 中也推し (3月25日 15時) (レス) id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 本の世界にいきたいさん» コメントありがとうございます!ブイズ達は完全に作者の好みにしてますが、更新頑張ります! (11月3日 15時) (レス) id: 0bfe5b1bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2023年10月29日 23時