トリップしたら、友達の推しがいる世界だった【中原中也】【文豪ストレイドッグス】【ブイズ】

#21 ページ22

ぶおぉぉぉっ、とドライヤーの音が耳に入ってくる

今は中也さんが僕にドライヤーをしてくれているのだ

ようやく終わったかと思えば、凄い撫でられている

…気持ちいいのは不可抗力だから




「アニマルセラピー用にボスに生かされてそうだなお前」

『……リフィ』(……そんな気がしてきた)




そもそもエリスちゃんが僕を飼いたいってところからだったから

…実質僕の立場ってペットだね←


中也さんはどこかに歩いていくと、なんかの果実を持ってきた




「今日はこれでも食べて我慢しろ。俺は昨日の残り物食うから」

『リフィ！』(りんごだ！)




確かに、この姿で何が食べられるかわからない以上そうするしかないだろう

机に置かれたりんごに噛みつくと、信じられないほど美味しい味がした。

そもそも僕はあまりりんごが好きではなかったのだが、

アニメで見るポケモンがあまりにも美味しそうに食べるので

つい買ってしまうことがあった

まぁりんごが大好きなお姉ちゃんにあげてしまうのだけれど

今の僕がポケモンだからか、りんごがとても美味しく感じる


黙々とりんごを食べていると、

隣で食事をしていた中也さんがじっと見つめてきた




「…お前その姿のときは喋れねぇけど、中身まで野生化してねぇよな？」

『リフィ！リフィア！』(失礼な！中身は人間だわ！)

「人間っぽいな」




なんてことを言い出すんだとぷんすかしていれば、

優しく頭を撫でられて不機嫌なんてことを忘れてしまった

相変わらず頭を撫でるのが上手いけれど、ペットでも飼っていたのだろうか

憶測でしかないが、犬を飼ってそうだ

あ、犬っぽいからか←




「ところでよぉ、お前今日どこで寝んだ？」

『…リフィ！』(…ここ！)

「ソファー？寝にくいと思うぜ」

『リフィア』(サイズ的に大丈夫だろ)

「…まぁそこが良いんだったら良いけどよ」




実は中也さんって心配症だったりするのだろうか

今日初めてあったからどうも言えないが、マフィアにしては優しい方だ

それなのに幹部って、多分この人は実力派なのだろう。

本当に凄いことだと思っている

何か取り柄がある人は、輝ける人だと知っているから

それでも、この人だって今まで苦労してきたんだろうな

僕の人生と比べたら、きっと過酷だっただろう

……辛いこともあったんだろう

僕にはその辛さは分かってあげられない

だって、僕はまだそこまでに達していないから

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