ありがとう、お母さま。大好き ページ33
「…もうゆっくり休みなさい、アデライド」
アデライドの胸から剣を引き抜いたユーリは、静かにそう告げた
「あの下賤な魔神族を…〈女神の契約者〉に選んだお前に…敗れる…なんて……！！」
キラキラと淡い蒼銀の光の粒となって消えて行くアデライドは、鬼の形相でユーリを睨みつける
〈女神の契約者〉って何かしら？〈女神の愛し子〉とはまた異なるものだと思うけど……
「許さ、ない……！！お前が…お前さえ居なければ…お前など…あの時、魂ごと消されていれば良かったのよ……！！」
「＿＿＿＿＿＿そんなこと」
アデライドのあんまりな言葉に私たちが言い返す前にユーリが静かに…深い絶望を宿した声で呟く
「誰よりも、私自身が願ってる」
小さな声で呟いたその言葉が幸か不幸か、私の耳に届いた。私たちに背を向けているユーリの表情は分からない。けれど、いつも大きくて頼もしく見えていた彼女の背が小さくて頼りないものに見えた
「…さようなら」
くるりとアデライドに背を向けて私たちの元へ歩き出したユーリに優しい声がかけられた
「ありがとう、お母さま。＿＿＿＿＿＿大好き」
はっ、と大きく目を見開いて後ろを振り返ったユーリ。けれど、既にエヴェリーナ王女は光の粒となって消えていた。小刻みに震えているユーリの白魚の手はキツく握られ、血が滴っている
「エルティアナ様……」
「待って」
ユーリに駆け寄ろうと一歩踏み出したマリーの細い腕を掴んだのは、見覚えのない可憐な美少女だった
「ルーちゃん、天使様たちを宮殿に連れて行ってもいい？」
「…ええ、お願い」
顔を上げて柔らかく微笑ったユーリは、とても美しくて…同時に今にも消えてしまいそうな儚さを纏っていた
「ユーリ、待ってるわね」
どんな言葉をかけてもきっと気休めにもならない。そう思い、私はいつものように告げた
「ええ。なるべく早く行くわね」
クスッと微笑って手を振るユーリに手を振り返した瞬間、私の視界は一瞬にして変化した
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (
レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます！今読みました。これからも面白い小説頑張ってください！応援してます！ (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年7月3日 22時
