狂い、堕ちた公爵 ページ28
「…狂ってる」
ポツリと呟いた私の言葉は奇跡的に公爵に届き、彼は忌まわしげに顔を歪めた
「狂っている、だと?この私の崇高な愛が?」
「メアリー夫人がどう思っていたかは知らないけど、マリーさんは苦しんでいるわよ。あなたの崇高な愛とやらに巻き込まれて…ね」
愛の形は人それぞれ。傍から見れば意味が分からないと言われるような愛でも当人にとっては幸せなのかもしれない。けれど、それは度を超えない迷惑の範囲内での話。フォスター公爵が語る"崇高な愛,,は、マリーさんにとっては"心身を蝕む毒,,にしかならなかった
「黙れ…黙れ!!貴様に説教される筋合いなどない!!」
フォスター公爵が手を振り下ろすと、大きな氷柱が私目掛けて降ってくる
「"
精霊魔法の一つ『
「"
いつの間にか魔法で構築された異空間から脱出したアデライドが背後から攻撃を放つ
「"
アデライドの攻撃を結界で防ぎ、彼女の足元に淡い蒼銀の魔法陣を出現させる。瞬間、アデライド目掛けて光線が放たれた
「くっ……!」
女神族の翼を生やして逃げるアデライド。しかし、光線は彼女を追いかけ、彼女に直撃すると同時に大爆発を起こす
「背中がガラ空きだぞ!!」
剣を持ったフォスター公爵は狂気を感じる笑みを浮かべ、私に突撃してくる。戦いに於いて理性を失った者ほど攻撃が単純になるものはない。公爵の攻撃をさらりと躱した私は、風の力で彼を地面に叩き落とす
…ふむ。こうも集中して攻撃されるとマリーさんの洗脳を解くこともままならないわね。まぁ…それが目的なのでしょうけど
私が張った結界を破ろうと次々攻撃を繰り出すマリーさんに一瞬だけ視線を向けた私は、ため息をついてアデライドとフォスター公爵に手を向けた
「"
辺りを覆うほどの眩い光と共に出現した大きな箱に二人を閉じ込めた私は地面に降り立ち、マリーさんを見つめる
「お父様…アデライド様……っ」
異空間に閉じ込められた二人を見上げたマリーさんは忌まわしげに顔を歪めて私を睨みつけた
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pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» 返信ありがとうございます。また何かありましたらお教え頂けますと幸いです (2021年7月4日 20時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - ありがとうございます!今読みました。これからも面白い小説頑張ってください!応援してます! (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(りんご)(プロフ) - 瑠李さん» コメントありがとうございます。今、消しましたのでご覧頂けると幸いです (2021年7月4日 19時) (レス) id: cf9e4ba859 (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 国王陛下の帰還が同じセリフがあります (2021年7月4日 19時) (レス) id: 88c711d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アストライアー | 作成日時:2021年7月3日 22時