Tu aimeras les gens et tu vivras fierement〈第八章〉 (ページ44)

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大罪人が抱く恐怖と大好きな仲間たちページ44

「初めまして、メリオダス様」

　先程までの動揺を一切感じさせない、無垢で柔らかな完璧な笑顔。その切り替えの早さに、ある種の恐怖を覚えた

「私は、エルティアナ=リリアーヌ。旧イデアール聖王国最後の女王で人間界(こちら)では〈霊魂の女神(ラ・ヴィータ)〉と呼ばれています。是非、ユーリとお呼び下さい」

　深い青のワンピースの裾を摘み、非の打ち所がない美しい礼を執った女…否、ユーリの考えは一切読み取れない。見た目だけならエリザベスや菫と同じくらいのはずなのに中身は成熟した大人のようだ。しかし、そのアンバランスさは不快感へと変わることはなく、寧ろ彼女の魅力を高めているようにも見える

「団長の目が覚め＿＿＿＿＿＿＿団長！！」

　部屋に雪崩れ込むように入ってきたディアンヌ(人間サイズ)たちはオレを見るや否や顔を輝かせた

「良かったぁ……！」

「お嬢から団ちょが倒れたって聞いた時は槍でも降るかと思ったぜ〜♪」

「いやいや、天変地異の前触れでしょ」

「どっちも変わんねぇよ」

　全く以て失礼な仲間たちである。だが、この気兼ねなく話せる仲間たちが大好きな自分がいることも否定できない

〔何故、倒れたんだ？〕

「それが憶えてねぇんだよな」

「単なる疲れか、もしくは別の線か……」

「あの…エルティアナ様の見立てはどんなものなのでしょう？」

　シェリルの言葉で〈七つの大罪(なかま)〉の視線が一斉にユーリに集まった

「…魔力が反発し合ったことによる発熱だと思うわ。熱も下がったし、もう大丈夫よ」

　ユーリの言葉で〈七つの大罪〉が一斉に胸を撫で下ろす。それだけ〈七つの大罪(なかま)〉に信頼されているユーリが更に分からなくなった

「みんな、少し話があるの。一階で話せるかしら？」

「話？」

「ええ。とっても大事な話よ」

「…分かったよ」

「団長、また来るね！」

「おう」

　〈七つの大罪〉とエリザベス、双子の天使が出て行った後、控えめな笑みを浮かべて小さく会釈したユーリも後を追って部屋から出て行った