Tu aimeras les gens et tu vivras fierement〈第八章〉 (ページ37)

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私の希望と肌が粟立つような恐怖ページ37

「そういえば…フォスター公爵の件でバルトラ兄上様が感謝していたよ」

　ティーカップに口をつけ、おかしそうに微笑うエドワードに軽く首を横に振る

「感謝されるようなことはしてないわ」

　フォスター公爵家と繋がりのある商家の男の部屋から盗んだ公爵家の悪事の証拠。"女神の恩恵(ディア・グラース),,から抜き取ったその証拠を書類に纏めた私は秘密裏に国王陛下に献上した。エドワードはその事を言っているのだろう

「あんな膨大な証拠、よく見つけられたね。兄上様たちが"女神の手にかかればここまで分かるのか,,と驚いていたよ」

「〈豚の帽子〉亭に来た迷惑客がたまたまフォスター公爵家と繋がりのある男だったから証拠を手に入れられただけよ。女神云々、というか…イデアールの血筋のおかげね」

　相手が迂闊だったから手に入れられた、というのもある。単に運が良かったのだ

「…ルティ」

　相手が迂闊だったことに心底ホッとしているとこちらを窺うような顔をしているエドワードに名を呼ばれ、顔を上げた

「何かしら？」

「君にとって、〈七つの大罪〉とはどんな存在意義なんだい？」

　予想外の問いかけに息を呑み、ふっ、と頬を緩める

「エディにとって〈七つの大罪〉はどんな存在？」

「…私にとって〈七つの大罪〉はリオネス王国の守護者だ。我が国を護ってくれる、守護神のような存在。でも、私個人としては友人になりたい存在…かな」

「…意外だわ」

「確かに、彼らは国や民を護りたいとか…誰かの為にあまりないから私たちには共感できない部分もあるね。でも、"護りたいものを命に代えても護る覚悟,,は私たちに通ずる部分じゃないかな？」

「確かに…ね」

「さて、今度はルティの番だよ」

　言うまで帰さない、という気迫を感じ、笑みを浮かべながら肩を竦める

「…〈七つの大罪〉は、私の希望なの。魔神族と女神族の不毛な争いを終わらせてくれる存在、っていうのもあるけど…メリオダスがやっと見つけた対等な仲間だからずっと見守っていたい、って気持ちの方が強いかしらね」

"あなたが寂しくなくなるまで、傍にいるから,,

"……ああ,,

「…女神が君を愛する理由が何となく分かったよ。…本当、救いようのない馬鹿だ」

　心底おかしそうに笑うエドワードは、少しだけ哀しそうだった

「エディ……？」

　エドワードの哀しそうな笑みが気になり、問おうといたその時。全身が粟立つような恐怖に襲われ、"何か,,が失われたような感覚を覚えた